銭湯を知らずに育った24歳が手を挙げた

そうした思いを抱きながらも、大学卒業後、すぐに銭湯業界へ進んだわけではない。

仲のよかった名古屋市南区の銭湯「七福湯」の主人に進路を相談すると、「一度は社会人を経験した方がいい」と勧められた。店主自身も、会社員を経験した後に家業の銭湯を継いでいた。銭湯の世界に入る前に、一般企業で働き、外の社会を知っておいた方がよいと考えていたという。

その言葉に納得した湊さんは、アパレル会社に入社した。しかし、約10カ月で退社を決意。次の勤務先は決めていなかったが、いずれは東京などの繁盛店で修業を積み、30歳ごろに独立できればと考えていた。