自分が必死に守ってきた「立場」とは何か
率直に言って、とてもショックでした。
もちろん、かつての友人が活躍していることを手放しで喜びたい気持ちはありました。その一方で、彼のまぶしい成功と、これまで自分が必死に守ってきた「立場」を比較して、割り切れないものを感じざるをえなかったのです。
私はそれなりに「聞き分けのいい」学生でした。いわゆる進学校から大学へ進み、大手企業へ入社。親や先生が説く「いい学校に入って、いい会社に就職すれば幸せになれる」という教えを疑うことなく、ただ忠実に歩んできたのです。
ところが、現実にはドロップアウトした彼のほうが、当時の私よりはるかに自由で、経済的にも自立していました。「自分は正解のルートを歩んでいる」と信じ込んでいた私のプライドは、大人びて見える彼の姿を前に、音を立てて崩れていくような気がしました。
「同世代」とは、まったく別のモノサシを持つ
それから自分なりにいろいろ調べ、世の中にはいろいろな仕事があり、稼ぎ方も多種多様であることを知りました。
会社で働かずに生きていく方法を模索し始めたのも、このときの葛藤がきっかけの1つで、後々の起業につながるのです。
高校や大学には同じような学力の人間が集まります。その結果、誰もが同じような就職先を目指します。入社した会社でも、同じような尺度でふるいにかけられていくわけです。
年を経るごとに周りには自分と同じような人しかいなくなっていくのは当たり前でしょう。周囲の影響を受け、自分のありたい姿や目指すゴールも、例えば「この会社で役員になる」といった具合に、同じようになっていきます。
もっというと、どこに住むか、我が子をどう教育するかなども、同じようになっていきます。それはごく自然なことです。

