養子案を進めた麻生氏が養親の身内となる可能性

昨年の総裁選で高市首相がその座に就くことができたのは、麻生太郎副総裁がキングメーカーとしてバックアップしたことが大きかった。そして、この皇室典範改正を推し進めたのは、麻生氏だ。麻生氏は、今国会で皇室典範改正の成立が危ぶまれた際、連立を組む日本維新の会に自ら交渉して、最優先で審議するよう求めている。

今回の皇室典範改正で、「旧宮家の養子」の受け入れ先として想定されている皇族は、常陸宮家、三笠宮家、三笠宮寛仁親王妃家、高円宮家の4家だ。三笠宮家では、三笠宮と百合子妃が逝去し、子の故・寛仁親王の活動を受け継いだ三笠宮の孫の彬子さまが当主を継承した。それを受け、故・寛仁親王の妃・信子さまは三笠宮家を離れ、昨年新たな宮家を創設。それが三笠宮寛仁親王妃家だ。

そして、信子さまは麻生氏の妹であり、寛仁親王と信子さまの間に生まれた彬子さまと瑶子さまは麻生氏の姪にあたる。つまり、養親となる可能性がある皇族の身内である麻生氏が、養子案を積極的に進めているのだ。

「要するに、麻生氏と血のつながりがある家の男子に、皇位を継承する権利を与えたいがため政治権力を行使した、それに高市首相が総裁選のお礼をしますよといわんばかりに加担している、そんな見方が国民に広がった。本来、皇室は政治と距離を置くことになっているのに、キングメーカーの麻生氏がゴリ押ししている印象が、国民の高市首相への支持離れにつながったんです」(前出・A氏)

自民党で長く、政務調査会の調査役を務めた政治評論家の田村重信氏は、「女性天皇容認」の世論を無視したことが内閣支持率の低下につながったという見方だ。

5月の朝日新聞の世論調査では、皇位継承について、

「女性もなれるようにした方がよい」72%
「男性に限った方がよい」18%

と大差がついていた。天皇家の長女・愛子さまの人気が高いことも影響しているだろう。