本音は楽しいときにしか出てこない

奇跡的に、同期5人がそろって休日がとれた、とある11月の土曜日。半年に一度あるかないかのその休日に、誰かが言いました。「箱根に行こうか」。全員、即決でした。金曜の深夜まで仕事をしていた5人が、翌朝、新宿駅のホームに立っていました。

箱根へ向かう途中、5人でスーパーに寄りました。カートを押しながら、誰かが「これ美味しそう」「それ多すぎじゃない」と言い合いながら、異様に長いレシートを掲げて、みんなで笑い転げる。

おかしかったのは、レシートではありません。この5人で、こういう時間が持てたことが、思いのほか楽しかったのです。スウェット姿で、誰の顔色も見ていない。外銀のフロアでは、一度もなかった時間。旅館に着いて、浴衣に着替えて、温泉に入る。夜は、5人で買ってきた食材を囲みました。同期の一人の誕生日。誰かがケーキを持ち出してきて、本人の顔が笑顔でぐしゃっと崩れる。「え、マジ⁉」と言ったきり、言葉が続かない。笑いが止まらない。