英国では稼働停止事故続き「もんじゅ」
だが元日本テレビ解説主幹で、オンカロ、チェルノブイリ、スリーマイル原発を現地取材した科学ジャーナリストの倉澤治雄氏はこう話す。
「オンカロのある地層は安定し滅多に地震が起こらないうえ、過去に観測された最大の地震はM(マグニチュード)4.9程度。それに対し、日本はM6~7クラスの地震が頻発する地震の巣です。地震でガラス固化体の容器が損壊しないのか。しかもガラス固化体を地下に埋める場合、塩分を含んだ地下水がステンレス製の容器を腐食させ、放射性物質が漏れる危険性もあります。ガラス固化体の放射線量は1本当たり10の16乗ベクレル。生身の人間が近づけば即死します」
ガラス固化体を作る再処理工場についても、東海再処理施設は耐震対策や機器の故障などで07年から処理装置で停止中。青森県六ケ所村に建設中の再処理工場も、当初の1997年完成予定がトラブル続きで、いまだに完成していない。このため現在は英国で再処理してもらっているが、「英国の再処理工場も16年の稼働停止が決まっている」(倉澤氏)。
しかも日本政府は、全量再処理で取り出したプルトニウムを高速増殖炉で再利用する「核燃料サイクル」を基本としているが、肝心の高速増殖炉「もんじゅ」は事故続きで稼働停止したままだ。
原発ゼロか推進かは別にして、原発ゴミが今後も増え続ける。「引くも地獄、進むも地獄」(倉澤氏)の状況が今後も続く。
(時事通信フォト=写真)