安心して最期を迎えられる場所を、どう見定めるか。「持ち家が重荷になることもある」と専門家は言う。多くの選択肢の中からベストな住居を選ぶ方法は――。

最期まで自宅に住むには「お金」と「人」が必要

【岡本】持ち家に住み続けるべきか、それとも施設に入居したほうがいいのか。状況は一人一人違うので、一概には言えません。ただ、一般論としては、①子どもがいない、②親族と遠く離れたひとり暮らし、③病気を持っている、のいずれかに該当する人は、施設に入居したほうがよい結果になるケースが多いです。これらに該当しなくても、今の生活に何らかの心配事を抱えているシニアは、施設に住み替えることで精神的な負担の軽減が期待できます。

最期まで自宅での生活が成り立つかどうかは、突き詰めると「お金」と「人」の問題です。自宅で全面的な医療と介護を受けるための環境を整えるには、結果的に施設に入るよりもお金がかかる場合があります。十分な資産や収入があり、いざというときに頼れる人もいるのなら、自宅で暮らし続けても大きな問題は起きにくいでしょう。半面、どちらかに不安があるなら、住み替え検討したほうがよいと思います。

年齢で言えば、60代半ばあたりが、住み替えを検討するファーストチャンスです。「まだまだ若いのに」と思う方もいるかもしれませんが、高齢者向けの住宅や施設は種類も数も非常に多く、しかも一軒一軒、中身がまるで違います。介護という将来が目の前に迫ってからではなく、早いうちに選択肢だけは知っておいて損はありません。

(構成=堀尾大悟)