5億円のトマホークvs.50万円のドローン
イスラエルは3週間でおよそ1万2000発の爆弾をイランに投下した。このうち3600発はテヘラン地域に集中し、戦闘機590機の出撃回数は5700回に及んだ。別途、ヒズボラに対して2200発の爆弾を投下した。
ピート・ヘグセス国防長官は、“エピック・フューリー(壮絶な怒り)作戦”の費用と、発射された弾薬の補充のために、議会に10兆円規模の予算を要請した。
「悪者を倒すには金が必要だ。議会と関係者に働きかけ、これまで行ってきたこと、そして将来行うかもしれないことのために、適切な資金が確保されるよう要求する」というものである。
米軍のミサイル消費数は有力シンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)の推計で、トマホーク168発(3月27日にペンタゴンは850発と修正)、SM長距離が159発、SM2が268発、SM6が280発と報告されている。高価なミサイル(「トマホーク」は一発5億円)が安価なドローン(一発50万円から)によってきりきり舞いさせられるとは!
ハードウェア方面では精巧なミサイルとて、ドローンの集団攻撃の前には脆弱性が露呈したわけだ。イスラエルが誇ったミサイル迎撃システムの「アイアン・ドーム」も破れ傘状態となり、映画『エンド・オブ・ステイツ』で描かれたように、大統領の釣船を襲うドローンの集団攻撃という空想物語が、いまや現実となったのである。
「パイロット救出作戦」の舞台裏
2026年4月6日、イラン上空で撃墜され、行方不明だった米軍戦闘機のパイロット救出作戦は、大規模な陽動と囮作戦、そして200名のデルタフォースを動員して行われた。標高2000メートルの山中に潜んだ戦闘機のパイロットは暗号通信で本部に位置を知らせ、救助を待った。一方、米軍機、輸送機、ヘリなどは遭難場所とは関係のないイラク国境付近を飛行してイラン側の判断を狂わせる陽動作戦を展開した。
軍事作戦は詳細に報じられたが筆者が注目したのは、①乗員の居場所を突き止めるCIAの「特殊な機材」、②乗員が所持していたのは拳銃と「居場所を知らせる発信器」の2点だ。
ホワイトハウスでの記者会見でラトクリフCIA長官は秘密兵器の一部を明かした。同席したトランプ大統領もご機嫌で、「このパイロットを見つけるのは干し草の山から針を探すようなものだった。CIAの働きは信じられないほど素晴らしいものだった。この小さな点を発見するうえで非常に大きな役割を果たした」とその功績を称えた。

