厳格な管理体制が育むクオリティ

ヨーロッパから「そっくりそのまま」運ばれた設備は、平壌の寺洞(サドン)区域に「大同江ビール工場」として再構築され、2002年に生産を開始した。

ちなみに、このときに定められたのが、現代も守られている「麦芽と白米の配合比率によってナンバリングする」という命名規則である。これはロシアの「バルティカ」ビールに倣った手法で、1番から7番までの番号が几帳面に振られており、徹底したナンバリングで多様なフレーバーを管理しているのだ。

結果的に、この社会主義らしい厳格な管理体制が生んだクオリティは、敵対する欧米メディアすらも驚愕させた。米ニューヨーク・タイムズ紙は「朝鮮半島で生産された最高のビールの一つ」と絶賛し、英経済誌『エコノミスト』にいたっては「北朝鮮が韓国を打ち負かすことができる唯一の分野」とまで称した。