ミッキーのTシャツを着てUSJを歩いてみたら

ホスピタリティーを発揮するためには、ゲストを見ただけではわからない「今日は何を楽しみに来たのか」「どんなアトラクションが好きか」といった人それぞれの情報を引き出す必要があります。その起点が、声がけなのです。

例えば、私がユニバーサル・スタジオ・ジャパンにミッキーマウスがプリントされたTシャツを着て遊びに行ったときのことです。

クルー:ミッキーじゃないですか!
私:そうですよ(笑)
クルー:ユニバーサル・スタジオ・ジャパンにいるキャラクターで、好きなキャラクターはいないんですか?
私:ミニオンが好きですよ。今日もミニオン・パークにまず向かいます。
クルー:そうですか! もうミニオンの○○(フードの名称)は召し上がりましたか?

クルーの声がけから、このような会話に発展します。私がミニオンの新しいフードを知らず、また好みに合いそうであれば、非常に有益な情報を提供してもらったことになります。

有益な情報を提供するための数十秒の会話は、ゲストの大切な1日を豊かにする「最速のホスピタリティー」なのです。

「いらっしゃいませ」から始める弊害

ホスピタリティーを発揮するために会話が重要なわけですが、そのための工夫を1つ紹介します。

ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは「いらっしゃいませ」というあいさつを使いません。言うまでもなく、「いらっしゃいませ」は、れっきとしたあいさつです。「ようこそいらっしゃいました」という歓迎の意味を伝えるもので、こう言われて気分を害する人はいません。

しかしディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは「いらっしゃいませ」は禁句なのです。朝は「おはようございます」、昼は「こんにちは」と、時間に合ったあいさつをします。

キッチンカーの女性店員
写真=iStock.com/yamasan
※写真はイメージです

「いらっしゃいませ」と「こんにちは」の違いは何でしょうか。

多くの人は、「こんにちは」と言われたら、「こんにちは」と返します。講演や研修のときに、私は必ずあいさつから始めますが、「こんにちは」とあいさつをしたら、「こんにちは」と返ってきます。私の経験では、これは100%そうです。

では、「いらっしゃいませ」と言われたら何と返しますか。ほとんどの方は何も返さないのではないでしょうか。中には会釈する方もおられるでしょう。「こんにちは」と返す方もいるかもしれません。正解・不正解はありません。私が講演で尋ねても返事はバラバラです。