苦しいときこそ勝負をかけてきた

バブル崩壊で団体旅行は激減し、個人・家族旅行が中心となった。その分、客がゆったりと旅を楽しめるようにと、ふぐや和牛などの食材にもこだわった。また、子どもからお年寄りまで楽しめるよう、女将劇場にも時事ネタやアニメのキャラクターなどを盛り込んだ。

しかし2007年、不況の中でも新しいものに挑戦しようと思い切って投資した4号館の建設が、旅館の経営をさらに圧迫した。湯田温泉の他の旅館は、次々と大手に買収されていく。明日は我が身かと震えながら、毎日を必死に過ごした。山口県美祢市に居抜きで手に入れた旅館の経営にも心を砕いていたが、手放さざるを得なかった。

この頃に経営コンサルタントからかけられた言葉を、高美さんは今もお守りのように大切にしている。