肌の健康に必要なのはメリハリのある食事
重要なのは「ずっと食べないこと」ではなく、「食べるとき」と「食べないとき」にメリハリをつけることです。メリハリをつけることで、体内環境が改善され、身体のリズムを整え、肌の健康と若々しさを保つことが可能になるのです。
私は現在53歳になりますが、人からよく「肌がツヤツヤ」と言われます。もちろん、個人的なことなので科学的な実証とは言えません。これまで述べてきた細胞修復のメカニズムが私の身体でも働き、良い影響を与えているのではないかと考えています。
周期的なファスティングのアンチエイジング効果を理解するには、「ホルミシス」の視点も非常に重要です。ホルミシスとは、軽いストレスや負荷を与えると身体がそれに適応し、より強く健康になるという生理的反応を指します。筋トレで筋肉が強化されるように、小さなストレスは身体を鍛えることにつながります。
ファスティングも身体にとっては一種のストレスなので、それによってホルミシス効果が起こります。その結果、皮膚のバリア機能が強化され、肌の水分保持能力も高まって弾力性の回復にもつながります。
肌の乾燥や小じわを招く避けたい習慣
近年、「ファスティング・ミミック・ダイエット(FMD)」が注目されています。この食事法を開発したヴァルター・ロンゴ博士らの研究チームによる、数カ月間にわたる実践を対象にした臨床試験では、FMDによって皮膚水分量や肌の質感(キメ細かさ)などが良い方向に変化したという知見、生物学的年齢の指標が改善したとする報告もあります。
一方、食べ過ぎは肌の老化を押し進める方向に働きやすいことは多くの研究で示されています。
過食状態が続くと体内の慢性炎症(身体がダメージを受けたときの防御反応)が強まるため、皮膚のバリア機能が弱ってダメージ修復が追いつかなくなり、肌の乾燥や小じわ、くすみなどといった見た目の劣化につながりやすくなります。
他のメカニズムもありますが、これだけを見ても過食はアンチエイジングの大敵だといえるでしょう。
ファスティングは皮膚だけでなく、血管や臓器のコンディションにも良い変化をもたらします。
過食や偏った食事で糖分の摂り過ぎが続くと体内で糖化が進み、「AGEs(終末糖化産物)」が増えます。AGEsの蓄積度は血管を硬くする方向に働き、動脈硬化や心血管疾患のリスクとの関連が報告されています。

