「廃線ドミノ」は北海道だけの問題ではない
鈴木知事は本来であれば、JR北海道が窮地に陥った鉄道政策の失敗を国に質して適切な財政措置を要求することが本来の仕事であるが、赤線区については結果的に全路線が見捨てられた。黄色線区についても同様の状況となれば、全路線が廃止という最悪のシナリオも浮上する。
JR北海道の綿貫泰之社長は2026年5月20日、黄色線区の上下分離について沿線自治体から強い反発があったことを理由に協議を当面見合わせる意向を明らかにした。北海道庁が鉄道の維持に対して財政措置を講じる意欲がない中では、財政規模が脆弱な沿線自治体だけで鉄道の維持費を負担することは不可能である。
トラックドライバーが不足する中で、北海道の農水産物を首都圏方面に安定的に輸送するためには、現在は貨物列車の運行を行っていない路線での運行復活や、災害時の迂回運転を実施するための鉄道ネットワークの確保が重要になると考えられる。
日本の農地面積の26%を占め、カロリーベースで全国に20%の食料を供給する北海道で鉄道ネットワークの寸断、縮小が続けば、日本の食料安全保障を揺るがしかねないのではないか。

