屋根が壊れてもすぐに雨漏りしない理由

屋根点検の悪徳業者は、屋根に関する知識の差を利用して騙そうとします。しかし逆に言えば、屋根の知識を身につけておけば、悪徳業者が来ても焦る必要はありません。「今すぐ工事をしないと、大変なことになりますよ」と不安を煽られても、冷静に対処できるようになるはずです。今日から使える、点検商法に騙されないための知識をいくつか紹介しましょう。

まず屋根の耐久性についてです。屋根は表面の屋根材が欠損しても、すぐに雨漏りする構造になっていません。

屋根は「層」構造になっており、表面の屋根材の下には「ルーフィング」と呼ばれる防水シートが敷かれています。たとえ屋根が部分的に壊れても、ルーフィングが「二次防水」として機能するため、すぐに室内へ雨水が入ることはないのです。

【図表2】屋根の防水構造
筆者作成資料を基に、プレジデントオンライン編集部にてGeminiを使用し画像化

新築工事で屋根の施工を進める際、表面の屋根材よりも先にルーフィングだけを張り、その状態のまま工事を進める現場が少なくありません。ルーフィングさえ張っておけば、表面の屋根材がまだない状態で工事期間中に雨が降ったとき、完全とはいかないまでも、ある程度の雨をしのげるからです。実際、梅雨どきに長期間にわたって雨が降り続いても、ルーフィングだけで乗り越えている現場は珍しくありません。

【図表3】一次防水と二次防水
画像提供=著者

よって、もし屋根の表面が欠けたとしても、修理を検討する時間はあるはずです。たとえ本当に修理しなければならない状況でも、決して慌てる必要はありません。まずは複数の業者から意見を聞く、相見積もりを取るなどして、冷静に対応しましょう。

悪徳業者を一発撃退するフレーズ

点検商法の営業担当者は、作業服を着た若い男性が多いようです。若者がひたむきに、親切そうに話を持ちかけてくる様子に「話を切りにくい」「断りにくい」と感じる方は多いかもしれません。一見すると正直そうな好青年であれば、なおさらでしょう。

しかし「屋根がずれていますよ」といった売り言葉から点検商法だと分かったら、相手に遠慮してはいけません。「いま忙しいので」などと曖昧にすると、手を変え品を変えて話を続けようとします。態度によっては、かえって「関心がありそうだ」と勘違いさせ、営業トークがエスカレートするかもしれません。

そこで相手のペースにのまれないための、簡単な“撃退フレーズ”があります。訪問業者が屋根の点検商法だとわかったら、毅然とした態度で、こう言ってみてください。

「お世話になっている工務店に確認します」

悪徳訪問業者は、営業先の背後に建築の専門家や既存の取引先がいることを嫌がります。嘘でも構わないので、「お世話になっている工務店がありますので、そちらに確認しますね」と伝えましょう。

きっぱり言っても申し訳なさを感じる必要はありません。訪問業者は断られることに慣れています。どんなに相手がしつこくても「点検をさせない」「その場で契約しない」ことが大切です。