「他人軸の時間」が増えやすい時代

もうひとつ、「他人に注意を向ける」ことは、私たち人間にとって、別の役割も果たしています。

社会的な規範を習得したり、新しい技能を身につけようとするときにも、他人に目を向ける、観察するという手順は欠かせません。

この新しい技能を身につけるために他者を観察する学習方法は「観察学習」と呼ばれ、多くの職場でも活用されています。

このように、よい関係を築いたり、一緒に協力して物事を進めていく上でも、他者に目を向けることは重要です。私たち人間は、ひとりで生きているのではなく、地域社会や会社組織などさまざまなコミュニティに属して生きているからです。

関屋裕希『仕事が終わらないのはだれのせい? 自分に優しい時間の使い方』(日経BP)
関屋裕希『仕事が終わらないのはだれのせい? 自分に優しい時間の使い方』(日経BP)

他人と自分を比べること、他人の目を気にすることというのは、私たち人間が社会的な生き物であることを考えれば、自然なこととも言えます。

一方で、Instagramの使用をテーマにした研究で、Instagramを使用する人は使用しない人と比べて、社会的比較指向性や賞賛獲得欲求が高いことが示されています。

「他人と自分を比べる」、「他人の目を気にする」ことは、私たち人間の自然な欲求・性質でありながら、SNSの普及したこの時代では、その性質とのつきあい方が一層難しくなっています。

放っておくと他人軸で過ごす時間が増えやすくなってしまうということです。

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