日本の皇室はヨーロッパの多くの王室とは異なり、私財をほとんどお持ちにならない。ゆえに皇室の方々はみな、国民の税金で食べているという意識を非常に強くお持ちであり、慎ましく生活しようとなさっている。

納税者にとっては大変ありがたいことだが、その思し召しが悲しいご経験によって増幅されたものである可能性があり、ひいては皇族数の抑制にも繋がりかねないとすれば、深く憂慮すべきであろう。

だからこそ、皇室は深刻な少子化時代における模範たりうる、という論者もいなければなるまい。拙文ごときがご耳目に達するとも思えないが、それでも雲の上に向かって「このような見方もございます」と申し上げずにはいられない。

皇居・二重橋
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「反転のラストチャンス」はもはや目前…

いうまでもないことだが、かつての皇后陛下のような、過酷な出産圧力に苦しみ悩まれる方の再来はもちろん許すべきでない。

その一方で、国費負担の増加などを気になさるがあまり、逆にお子さまの数を抑えられるということもあってはならないのである。このことは法制化が見込まれる養子縁組に対してもいえよう。

本当は養子を取りたいけれども、より直系の宮家にお譲りする。複数の養子を取りたいけれども、一人だけに抑えておく――。僭越ながら各殿下におかれては、このような諸々のご遠慮をなさらないようにと申し上げたい。

令和5(2023)年に「こども未来戦略」を策定した岸田元首相は、在任中に「若年人口が急激に減少する2030年代に入るまでが少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンス」だと訴えていた。もはや猶予はほとんどないのだ。

そんな中での皇族数確保に向けた「立法府の総意」は、図らずも国民意識の変革へと繋がりうるものである。

とりわけ養子縁組制度については、社会的な理解がまだ進んでおらず、偏見を持ってみられることが大きな問題点として挙げられている。皇室ですら養子縁組なさるということが、結果的にもしかしたら特別養子縁組の増加をもたらすかもしれない。そこまでには至らないとしても、少なくとも偏見の解消に繋がることになればと思う。

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