「日本人は『天皇家の結婚・出産』を目標にしてきた」

天皇は日本国民にとって「憧れの中心」である――。明治維新までの庶民は天皇を知らなかったという俗説もあるが、敗戦後に金森徳次郎大臣が帝国議会でそう繰り返した通り、古くから日本人は皇室への憧れを抱いてきた。

具体例として、江戸時代中期に庶民にまで広まった雛人形が挙げられる。天皇・皇后を模した人形は、いうまでもなく京都の雅びやかな宮廷文化への憧れを具現化したものである。

神前結婚式も代表例の一つといえる。明治33(1900)年に挙行された皇太子嘉仁親王(※後の大正天皇)の婚儀の後、同様の式を挙げたいという機運が国民の間で高まった。そして皇室の儀礼を参考にして定められ、全国に普及したのが今日の神前式なのである。