「切り替え」は集中力の敵

なぜ午前と午後に分けるのか? 一番大事なポイントを強調しておきたい。それは「切り替えという集中力の敵を退治する」ためだ。

そもそも「集中している」というのは「注意や意識が特定の対象や活動に一時的に強く向けられていて、他のことが気にならなくなっている状態」を指す。この集中力を奪う最大の敵が「切り替えの多さ」だ。人が集中状態に入るまでには通常15〜30分の助走が必要だと言われているが、いったん集中が途切れると、またその助走をゼロからやり直さないといけない。

福原たまねぎ『世界の一流が休むためにやっていること』(朝日新聞出版)
福原たまねぎ『世界の一流が休むためにやっていること』(朝日新聞出版)

資料を読み込んでいる時に突然「ちょっといいですか?」と声をかけられたり、せっかくプログラミングに没頭していたのに会議の時間が来て強制終了させられたり――こうしたささいな中断が積み重なるだけで、集中力は瞬く間に削られていく。

一日に使える集中力には限界がある。朝、脳というタンクに集中力という燃料が満タンに入っているとしても、「切り替え」という小さな穴がタンクの底に空いていたら、そこから燃料がチョロチョロ漏れていく。そうして会議や質問対応に追われているうちに、気づけば集中力はスカスカ、頭はエネルギー切れになる。この状態でいい仕事をするのは難しいだろう。

つまり、「切り替え」は集中力にとってコストの高い差し込みなのだ。だから大事なのは「切り替えの回数を徹底的に減らして、まとまった集中タイムを確保する」こと。そのため世界トップで働く人たちは、「コミュニケーション」と「作業」の時間をそれぞれ一つのブロックにまとめ、切り替え回数を一日一回に制限しているわけだ。

【図表】集中できなかった一日
福原たまねぎ『世界の一流が休むためにやっていること』(朝日新聞出版)より
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