「いいね数」「フォロワー数」が脳を刺激

さらにSNSには、アルゴリズムによって「あなたが好きそうなもの」が集まってきます。自分の好みと近い見知らぬ誰かの人生の「ハイライト」を自分の日常と並べれば、焦りや取り残された感覚が生まれるのは当然のこと。

そこに「いいね」やフォロワー数といった数字が加わると、焦る気持ちはさらに強まります。これらの数字は、脳の報酬系を刺激する要素だからです。数字が増えれば気分が軽くなり、減れば落ち込む。こうしてSNSは、私たちの感情を揺らしやすい環境をつくるのです。

もちろんSNSそのものが悪いわけではありません。問題は、SNSを通じて、比較する回路だけが鍛えられてしまうこと。だからこそ大切なのは、比較をやめることではなく、「いま脳が比較しているな」と自分自身が気づくことなのです。

「衝動を抑えられない若者」を生んでいる

SNSを見る際、多くの人が利用するのがスマホですが、近年では、スマホの過剰使用が脳に与える影響についても研究が進んでいます。たとえば、スマホの問題的使用が見られる青少年は、報酬系や行動制御に関わる脳の部位(線条体の一部である尾状核)の体積が減少していたという研究結果があります(Yoo et al., 2021)。

菅原道仁『わたしの脳のしつけ方 なぜあなたはしあわせを感じられないのか』(扶桑社)
菅原道仁『わたしの脳のしつけ方 なぜあなたはしあわせを感じられないのか』(扶桑社)

また、インターネット依存傾向のある青少年では、行動の抑制に関わる前頭前野と大脳基底核をつなぐ回路の機能的なつながりが弱まっていたことが報告されています(Li et al., 2014)。この研究は、インターネットの使用が、衝動を抑えたり、行動にブレーキをかけたりする力を低下させる可能性を示唆するものです。

もちろん、スマホが直接脳を変えると断定できるわけではありません。ただ、無意識にタイムラインをスクロールし続ける時間が、「衝動に反応しやすい脳」をつくるトレーニングにもなっている可能性は十分にあります。

【関連記事】
ギャンブルでも、旅行でも、美術品収集でもない…和田秀樹が手を出すなという「世の中で一番金のかかる趣味」
仕事のデキない人ほどこの髪形をしている…相手から全く信頼されない「ビジネスで一発アウト」ヘアスタイル3選【2025年9月BEST】
「ADHDグレー」と診断された子どもたちが高確率であてはまる幼少期からの「危険な習慣」
「年金だけで暮らす人」は定年前に手放している…大掃除で捨てるべき"老後のお金を食い潰す"無駄なもの2つ【2025年12月BEST】
「家の近所を歩く」よりずっと効果的…精神科医「ウォーキング効果を最大限に引き出す」とっておきの場所【2026年4月BEST】