友人の結婚や同僚の昇進がストレスに
② 脳は「損する」のが大嫌い
脳は「自分が不利かもしれない」「損するかも」という状況にも、敏感に反応します。この反応を生み出しているのが、側頭葉の奥にある扁桃体です。
扁桃体には、未来の危険に素早く反応する機能があります。
これはもともとは生物の生存に関わる機能でもあります。集団のなかで大きく遅れを取ることは、資源や安全を失うことにつながります。
同僚が自分より先に昇進したと聞いた瞬間、胸がざわつく。
友人が次々と結婚していくのを見て、自分だけ独身で取り残されたように感じる。
こうした「不利かもしれない」というサインを感じると、扁桃体が強く刺激され、「怖い」「不安だ」といったストレスを生み出し、人間を何かしらの行動に駆り立てるのです。
そのとき生まれるのは、希望ではなく焦り。現状より少し上を目指すはずが、気づけば「いまのままでは取り残される」「もっと成長しなければ」と焦ってしまう。
ここに、いまあるしあわせをくもらせる要因があるのです。
同級生のSNS投稿が頭から離れない
③ 比較情報をうまく処理できないと、判断力が低下する
扁桃体が「不利かもしれない」というサインに反応したあと、その情報を整理し、評価するのが前頭前野です。
前頭前野は、状況を再評価し、どう行動するかを決定する、いわば脳の司令塔のような存在です。前頭前野が「この情報は単なる情報として処理していいのか、はたまた何か自分の身の危険に関係する情報なのか」という情報処理をうまくできれば、心の揺れは落ち着きます。でも、その処理が十分に行われないと、「この状況にどう対処したらよいのだろうか」と脳が落ち着かないため、日々の意欲や判断力が低下してしまうのです。
たとえば、同級生が立派な家を購入したというSNSの投稿を見て心がざわついても、「自分はいま身軽さを優先しているので家を持つ必要はない」「いまは住宅より経験に投資しているのだから、問題ない」と脳内で処理できれば、心は落ち着きます。
しかし、その処理がうまくいかないと、「自分は家を買わなくていいのか」「いま行動しないと将来後悔するのではないか」と不安が膨らみ、何度もその投稿を頭で反芻してしまうなどの状態に陥ってしまうのです。

