西日本企業には実力ある企業が多い
関西地域の典型は京都である。図表4に京都を代表する大手メーカーを掲げた。村田製作所と島津製作所は、もともと仏具商だった。仏具商出身が2社もあるというのも京都らしい。名の通った企業が多く、下位の企業でも時価総額で多くの県のトップ企業を上回っている。
首都である東京に本社をおく企業は東京出身でない場合も多いので除いて考えるとして、関東と関西の対比は、むしろ、東日本と西日本の地域としての成熟度の対比ともいえる。埼玉以北で山口のファーストリテイリングのような世界企業が登場するのはいつになるだろうか。
そのほか、図録を眺め渡すと、メーカーなどで目立ったトップ企業がない場合、地元電力会社や地元銀行がトップ企業となっている場合も多い。特に東北や四国・九州でこの傾向が目立っている。
AI・半導体ブームが地域トップ企業に影響
図表2は2021年当時の状況を示しているが、2026年半ばの現時点における変更点を図表5に掲げた。
東京の企業は全国動向を反映しているが、ソフトバンクグループが6月1日にトヨタ自動車を抜いて日本一になったのが話題を呼んだあと、株価の動向がさらに変わりキオクシアHLD(元東芝メモリ)が日本一となっている。キオクシアHLDの時価総額は今や何と50兆円を超えている。
最近の時価総額の変動はAI・半導体ブームの影響によるところが大きい。東京の首位変更もそうだが、神奈川のレザーテック、京都の村田製作所、鹿児島のマルマエへのトップ企業交代にもそれが認められる。
京都の村田製作所など、2021年当時の時価総額は6兆円程度だったのが、今や20兆円を越える大躍進である。
また、経営陣による自社買収(MBO)で上場廃止となった結果、トップ企業が交代したかたちとなった例が岡山のベネッセHDと佐賀の久光製薬で見られる。
浮き沈みの激しい実業企業に対して、地元銀行は比較的安定しているので、岩手、茨城、群馬、三重、佐賀で地元銀行がトップに変更となっている。茨城の場合、県境を越えた2行が合併したフィナンシャル・グループへの変更である。青森でも青森銀行とみちのく銀行という2行の合併で名称が変わっている。
その他、都道府県の中で唯一、上場企業が不在だった長崎で、ハウステンボスの管理会社が上場し、トップとなった点も見逃せない。


