若い人でも発症する「ロコモ」の危険性

ロコモティブシンドローム(運動器症候群、通称ロコモ)とは、運動器の障害により要介護になるリスクの高い状態で、運動器の機能障害およびその予備群を含む身体面の概念です。ロコモの原因の一つに、サルコペニアがあります。ロコモは、身体的フレイルよりも早く発症し、子供や若い方にも認められることがあります。

ロコモの診断は、立ち上がりテスト(椅子や台から片脚もしくは両脚で立ち上がる)、2ステップテスト(できるだけ大股で2歩、歩いて、最大2歩幅を身長で除した数値)、ロコモ25(25項目の質問紙票)の3つを用いて行います(※8)。詳細はロコモONLINEのホームページをご参照ください(※9)。ロコモ度には1~3があり、3項目のいずれか一つに該当したら、そのロコモ度となります(図表2)。

【図表2】ロコモ度
出所=『幸福寿命』(日刊現代)

予防・改善には1に運動、2に栄養

2025年に「サルコペニア・フレイルの予防・改善に関するデジタルヘルスのためのガイドライン」(※10)と「サルコペニア・フレイルに関する栄養管理ガイドライン2025」(※11)が公開されました。私は両方のガイドラインの作成に関わりました。ここでは前者のガイドラインを紹介します。このガイドラインでは、高齢者のサルコペニア・フレイルの発生・進展を予防するために、レジスタンストレーニング(筋トレ)単独、またはそれを含む複合運動を行うことが強く推奨されています。

一方、栄養に関しては、高齢者のサルコペニア・フレイルの発生・進展を予防するために、栄養補充または運動と栄養補充を併用することが弱く推奨されています。根拠となるエビデンスの確実性に関しても、運動がもっとも確実で、栄養補充だけではサルコペニアやフレイル予防にはそこまでの確実性はないとされています。また、サルコペニアやフレイルを予防・治療する薬剤は、現時点ではありません。そのため、サルコペニア・フレイルの予防・改善には、一に運動、二に栄養です。

参考文献
8) Satake S , Arai H . Therevised Japanese version of the Cardiovascular Health Study criteria (revised J-CHS criteria). Geriatr Gerontol Int. 2020; 20: 992-993
9) ロコモONLINE:ロコモ度テスト
10) サルコペニア・フレイルの予防に関するヘルスケアサービスのためのガイドライン開発研究班編、サルコペニア・フレイルの予防・改善に関するデジタルヘルスのためのガイドライン、ライフサイエンス出版、2025
11) 日本臨床栄養学会/日本サルコペニア・フレイル学会編集、サルコペニア・フレイルに関する栄養管理ガイドライン2025、南江堂、2025