本当に大切な人とのおつきあいを深める
また、これは冠婚葬祭に招く側の手間や負担を軽くする意味もありますから、単なる不義理とはいえません。
「大変なのはお互い様」という考え方もありますが、若い頃はそれでよくても、年を取ると招く側の負担も大きくなります。出向くほうも迎えるほうも同様なのですから、お互いが「気持ちだけ」で簡素にすませても文句は出ないでしょう。
ただし、足を運ばなかったのなら、丁寧なお便りを差し上げるようにしましょう。セレモニーへの不参加を電話やメールですませるのは、ちょっと軽過ぎるかもしれません。
要するに、義理を廃して人間関係を絞ったぶん、本当に大切な人とのおつきあいを深めていけばいいのです。
老後のつきあいは「義理堅く」ではなく、「自分の心に正直に」。漱石の言う「三欠く法」を見習ってみてはいかがでしょうか。
八方美人はトラブルのもとになる
定年退職したシニアのなかには、「多くの人から尊敬されたい」という社会的承認欲求が満たされていないと思い込み、些細なことでキレる人がいます。
その一方で、これとは正反対の形で社会的承認欲求を満たそうとする人もいます。「尊敬されるのが無理なら、相手にされるだけでもいい」と考え、みんなに気に入られようとするのです。
しかし、この気持ちが強くなり過ぎると、誰にでも都合のいいことを言う「八方美人」になってしまいます。
本人は「これでみんなと仲良くできる」「仲間に入れる」と思っているのかもしれませんが、八方美人的態度を取り続けていると、逆にみんなから敬遠されてしまいますから注意が必要です。
また、このように“外”で「いい人」「立派な人」を演じていると、“内”にその反動が来ることがあります。
みんなに好かれようとすれば、Aさんの前ではAさんの意見を受け入れなければなりませんし、AさんとギクシャクしているBさんの前ではBさんの意見に賛同しなければならないわけですから、これは明らかな自己矛盾です。
こんな矛盾を抱えていれば、反動で感情が爆発して当然でしょう。

