人生の決断で役立つ「ネイピア数」

代数学とは、ある意味では数の働きを表す文法のようなものでもあります。私たちは3次元の図しか描くことができません。だからこそ、幾何学が限界に達したとき、代数学は非常に強力な武器となるのです。

レストランやスーパーマーケットで有意義な時間を過ごすのと同じように、線形計画法を使って人生のパートナーを見つけ出すことができるかもしれません。あなたがパートナーに求めるすべての要素を書き出し、それをもとに方程式を作成すれば最適化を図ることができます。しかし実際には、数学を使って最高のパートナーを見つけるための、より興味深い方法があります。

それは、数学という広大な世界の中で最も有名な、いや2番目に有名な数字を利用したものです。なぜなら、最も有名な数字は皆さんも知っているであろう円周率であるからです。2番目に有名なその数字は定数e(ネイピア数)と呼ばれています。

ネイピア数の定義
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これは実際には指数関数の分野に出てくる定数で、18世紀の偉大な数学者であるレオンハルト・オイラー(Leonhard Euler)の名前にちなんで名付けられました。なぜなら、オイラーはこの定数の重要性を書き記した人物のうちの一人だからです。2.71828から始まり、円周率のように無限大に向かっていくこの数が、一体なぜ人生のパートナーを見つけるのに役立つのでしょうか。

婚活や家探しで後悔しない見極めライン

例えば、理想の住まいを探すときや、目的地にできるだけ近い駐車場を見つけようとするときを想像してみると、多くの人はたくさんの選択肢を丁寧に検討しながら「これはちょっと違う」と不満を漏らし続けるものです。

一方で、一度諦めたものに戻るという選択が非常に困難であることを皆さんは知っているはずです。これは特に、パートナー探しの例に当てはまります。なぜなら、「あなたは運命の人じゃないから」と別れを告げた相手にもう一度近づくことはできないものだからです。

これは実は、すでに本書でお話ししているサンプリングと確率に関する話題に似ています。ここで必要となるのは、「これが最適な判断である」と確信を抱くためには何人のパートナーに出会えばいいのか、ということです。

あるときは「まだ他に素敵な人がいるかもしれない」と決断を先送りにして、その後、どこかのタイミングで「よし、この人に決めた」と、長かった旅を終わりにしなければなりません。つまり、自分にとって最良のパートナーになりそうな人を自信を持って選ぶためには、どれくらいの人を見なければならないのか、という問題に行き着きます。