「存在そのもの」を褒める
次に、2つめの褒め方「相手の存在そのものを褒める」について見ていきましょう。こちらも重要です。特に、人事や労務管理の立場にある人は知っておきたい視点です。仕事でなかなかパフォーマンスを発揮できずに疲労をためた場合など、うつ状態に近い状態になってしまうこともあるでしょう。
話は飛びますが、学校教育の現場などでは、どうしても褒めてくれない家庭で育っている子どもも存在します。無関心とか、常に叱られるといった状況にあるお子さんがいたら、教育現場ではそれこそなんでもいいから褒めて「この場では自分の存在が認められている」と感じさせることが必要、とされています。
仕事においても、不安に襲われることは誰しもあるでしょう。「自分の仕事は役に立っているのかな」「上司は評価してくれているのかな」というふうに思い詰めると、意欲は低下するし、不安にもなります。
「すごいね」「やるじゃん」でいい
何か手柄を立てたときには、前述のように「具体的行動を褒める」のが有効ですが、相手が意欲や自信をなくしているときは、相手を元気づけたい褒め方、つまり「存在そのものを褒める」ことが大事になるのです。
では、「存在そのものを褒める」にはどうすればいいのでしょうか。たとえば、自信をなくした子どもたちを相手にする場合は、髪の毛の長さ、ほっぺたのぽにょぽにょした感じ、靴の色でも、なんでもいいから、上から下までなんでも褒める、そんなイメージです。
私などは学生が相談にやって来たら、一発目の言葉として「よく来たね」「すごいね」と言って褒めます。そうすることが、自己肯定感やまた来るモチベーションにつながりますから。
この場合の褒め方は、ものすごく抽象的でいいのです。「すごいね」とか「やるじゃん」とか、「そのスマホケースいいね」とか、何言ってるかわかんないよ、というようなことでもいい。相手に対するプラスの言葉は勝手に耳に残っていきます。枕詞のように褒めるのです。
リモートワークが多い人は、直接会って会話することが減ったかもしれません。でも、オンラインのときなどにもこのような「褒め」を心がけてみてはどうでしょうか。


