必要なのは、最後まで粘って考える力
これからの社会で価値を持つのは、どんな人でしょうか。
私は、「覚えた人」ではなく、「考え続けられる人」だと思います。
もちろん、覚えることは無意味ではありません。知識がなければ、思考は深まりません。けれど、知識は出発点であって、ゴールではありません。
大事なのは、知識を材料にして、問いを立て、情報を整理し、別の視点から考え、要素をつなぎ、判断し、言葉にすることです。
東大・京大が入試で見ているのも、まさにそこです。
東大は、限られた時間の中で、情報を処理し、構造化し、答案にする力を問います。京大は、与えられた問いを深く読み、複数の視点を統合し、自分の言葉で表現する力を問います。
どちらも、知識だけでは足りません。
必要なのは、最後まで粘って考える力です。
AI時代に最初に切られるのは、知識がない人ではないかもしれません。むしろ、知識があることに安心して、それを使って考える訓練をしてこなかった人です。
逆に、AI時代に強くなるのは、知識を独占する人ではありません。AIから得た知識も、自分の経験も、他者の意見も、現場の違和感も、すべてを材料にして考えられる人です。
「頭がいい」とは、たくさん知っていることではない。
知っていることを使って、最後まで考え抜けることです。
東大・京大の入試問題は、そのことを静かに、しかし厳しく問い続けています。



