必要なのは、最後まで粘って考える力

これからの社会で価値を持つのは、どんな人でしょうか。

書影
西岡壱誠『東大・京大入試で培う 多面的に物事を深く捉える 複合的思考力』(KADOKAWA)

私は、「覚えた人」ではなく、「考え続けられる人」だと思います。

もちろん、覚えることは無意味ではありません。知識がなければ、思考は深まりません。けれど、知識は出発点であって、ゴールではありません。

大事なのは、知識を材料にして、問いを立て、情報を整理し、別の視点から考え、要素をつなぎ、判断し、言葉にすることです。

東大・京大が入試で見ているのも、まさにそこです。

東大は、限られた時間の中で、情報を処理し、構造化し、答案にする力を問います。京大は、与えられた問いを深く読み、複数の視点を統合し、自分の言葉で表現する力を問います。

どちらも、知識だけでは足りません。

必要なのは、最後まで粘って考える力です。

AI時代に最初に切られるのは、知識がない人ではないかもしれません。むしろ、知識があることに安心して、それを使って考える訓練をしてこなかった人です。

逆に、AI時代に強くなるのは、知識を独占する人ではありません。AIから得た知識も、自分の経験も、他者の意見も、現場の違和感も、すべてを材料にして考えられる人です。

「頭がいい」とは、たくさん知っていることではない。

知っていることを使って、最後まで考え抜けることです。

東大・京大の入試問題は、そのことを静かに、しかし厳しく問い続けています。

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