「持っていて得する通貨」3つの条件

では、「持っていて得をする通貨」とは何でしょう?

もちろん、「将来値上がりする通貨」、すなわち「強くなる通貨」の資産を持つと得になるのは当然ですが、では、どのような通貨が強くなる可能性が高いのでしょう?

それは、基本的には、「金利が高く、低インフレで、政治リスクの小さな国の通貨」ということになります。

金利が高い国の通貨は、その国の通貨に替えておけば利子所得が増えるので、魅力があるということになります。

また、いくら金利が高くても、物価上昇率がそれ以上に高いインフレの国の通貨は、持っていても購買力がどんどん低下していくので、魅力がない通貨になってしまいます。

政治リスクがある国の通貨は買いにくいのは当然ですね。

また、突然為替取引の規制を行うリスクのある国の通貨も買いにくいということになります。

逆に「有事のドル買い」という言葉があるように、政治的・経済的な安定性が評価され、世界有事の際にかえって避難先として買われる通貨もあります。

為替関係者はどの金利に着目しているか

もう1つの大事な論点は、「金利」と言っても、その種類はいろいろあることです。

短いものは1日から、長いものは30年まで、さまざまな期間の債券が取引の対象となっています。

これも一筋縄では行かない話で、超短期の取引を繰り返している人もいれば、どっしりと長い期間の債券を買って運用する人もいるでしょう。

しかも、(ここでは多くは語りませんが)経済情勢によっては、2年の金利の方が10年金利より高くなる、という「逆イールド」と呼ばれる現象が起こることがあり、そうなると構図はさらに複雑化します。

問題は結局、為替関係者(投資家も含む)がどの長さの金利差に着目して取引するか、ということに行きつきます。日米の2年、5年、10年金利差(名目)とドル円レートの相関を示すグラフを見てみましょう。(図表1)

【図表1】日米金利差とドル円レート:2年、5年、10年の金利差との相関関係の比較

3つの金利差の動きは、いずれもドル円レートと一定の相関があり、顕著な差は見られないように思われます。

そして、重要なこととして、2年、5年、10年を問わず、2025年夏以降、金利差とドル円レートの動きが逆方向になり、ギャップが拡大していることが分かります。

2017年から2018年にかけてギャップが大きくなった時期はありましたが、この時期と比較しても2025年夏以降の「方向性が逆になる」動きは一層明らかだと思われます。