NHKの受信料の徴収状況をみると、2026年3月末時点で、支払対象世帯約5000万件のうち受信契約総数は4033万件、このうち、実際の支払い件数は3859万件にとどまり、徴収率は77%。全国の総世帯数約5483万件からみれば、徴収率は70.4%にとどまる。また、衛星放送契約数は2156万件で、受信契約総数の53.5%と地上放送の半分強に過ぎない。

しかも、近年は減少傾向が続いている。

将来の収益の柱ともくろむ「ネット受信料」に至っては、当面の目標は、2025年度(2025年10月〜2026年3月)で約1万件 、2026年度で2万件と、取るに足らない数字だ。「ネット受信料で大幅増収」など、夢のまた夢。ユーザーの視聴シーンがスマホ中心に移行する流れを考慮しても将来的にどこまで「ネット受信料」が増えるかは、まったく不透明といっていい。

1月に就任した井上樹彦会長は「受信料収入のアップ」を大きな目標に掲げたが、これまでの経緯を踏まえれば、徴収率の飛躍的向上を実現するのは容易ではない。

まだ地上放送に上積みする衛星放送の契約数の増加に注力した方が、よほど収入増に寄与するのではないだろうか。大谷翔平をはじめとする大リーグ中継のキラーコンテンツを有しているだけに、アピール度は「NHK ONE」とはケタ違いに大きいのだから。

デジタルタブレットを使用する女性
写真=iStock.com/JGalione
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受信料のあり方を見直すべき

ネット事業が必須業務となった今回のタイミングは、NHKのあり方、ひいては受信料の意義を抜本的に見直し、「公共メディア・NHK」を確立する絶好の機会のはず。にもかかわらず、NHKは、従来の「公共放送・NHK」の延長線上で、古き良き時代の意識を引きずっているとしか見えない。

NHKは、自らの存在価値を、自らないがしろにしているのではないだろうか。

「公共メディア」とは何か。

「NHK ONE」がユーザーの支持を得られているとは言えない実態を踏まえ、その存在意義が問い直されている。

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