「見逃し配信」こそメインコンテンツだが…
もう少し詳しく見てみる。
「NHK ONE」の中で「新NHKプラス」のコンテンツのラインナップは、「放送同時配信」「番組を探す」「イチオシ番組」「番組のジャンル」の4つのカテゴリーで構成されている。
それぞれ、さらに小ジャンルに分かれ、「放送同時配信」は、〈総合テレビ〉〈Eテレ〉の2チャンネル。
「番組を探す」は〈番組表〉〈検索〉の2つ。
「イチオシ番組」には、朝の連続テレビ小説〈風、香る〉、大河ドラマ〈豊臣兄弟!〉、さらに〈アサイチ〉〈ブラタモリ〉〈NHKスペシャル〉と〈きょうのイチオシ〉の6つが並ぶ。
また、「番組のジャンル」は、〈ドラマ〉〈ドキュメンタリー・報道〉〈エンターテインメント〉〈ミュージック〉〈スポーツ〉〈アニメ〉の6つに分かれる。
さて、ここで、ネット配信事業の中核である「同時配信」と「見逃し配信」の利用シーンをイメージしてみたい。
まず、「同時配信」だが、テレビ受像機のない外出先などで、リアルタイムでNHKの番組を見たい時にスマートフォンやパソコンで視聴する場面が想定される。だが、こうしたケースは、災害時などではおおいに活用されるだろうが、日常的にはきわめて限定的だろう。
一方、過去1週間分の番組を見られる「見逃し配信」は、時や場所を選ばずに、いつでも見たい時に見たい番組を視聴できるのだから、利用シーンは格段に広がる。
「同時配信」がいわゆる「点」での利用とすれば、「見逃し配信」は「面」を超えた立体的な「三次元」での活用といえる。
したがって、「見逃し配信」こそ、ネット配信事業のメインコンテンツと位置づけられよう。
ユーザーにとって、ネット配信の利便性は、「同時配信」よりも、いつでもどこでも見たい番組を見られる「見逃し配信」に極まる。
「ニュース」を後方に追いやる“冷遇ぶり”
ところが、先のラインナップをみると、「見逃し配信」というカテゴリーやジャンルが見当たらない。
「同時配信」は、ワンクリックですぐに視聴することができるが、「見逃し配信」となると、見たい番組を探すのに一苦労も二苦労もする。
見たい番組に行き着くためには、「番組を探す」のカテゴリーから「番組表」や「検索」で探すことになり、ツークリックやスリークリックどころか、番組表をスクロールしなければならないし、検索のためのキーワードも入力しなければならない。
たとえば、NHKのNHKたる所以でもある「ニュース」。
朝7時の「おはよう日本」、正午の「お昼のニュース」、午後7時の「ニュース7」や午後9時の「ニュースウォッチ9」などは、いずれもワンクリックでは視聴できない。
「旧NHKプラス」では、「ニュース」というカテゴリーの中で、毎時の定時ニュースを含めたすべてのニュースが時系列に並び、ワンクリックで視聴できるようになっていただけに、利便性が格段に低下したことは否めない。

