社長の本音「給料アップはキリがない」

収入が上がらない理由として、主に2つ挙げられる。

・昨今の燃料費・採用広告費・トラック購入費用などの上昇に、運賃上昇が追いついていない
・業界の大半を占める中小運送会社の経営者は先行き不安から、ドライバーの待遇改善に踏み切れていない

補足しよう。

2024年3月末現在、国内運送会社は6万2848社である。

しかし従業員が1000人を超える大企業は92社、割合にして0.1%しかなく、逆に従業員が30人以下で81.7%、50人以下で90.2%という巨大な中小企業の集合体が、運送会社の実態である。

確かに最近は「長距離ドライバーで年収700万円以上可能」といった景気の良い求人広告も見かけるようになったが、こういった高収入をアピールできるのは限られた大手運送会社がほとんどだ。

筆者が取材したある中小運送会社社長は、ある程度までドライバーの収入アップを実現したが、それ以降は社員旅行などの福利厚生を充実させる方向に経営転換したという。

「給料アップはキリがないよ。そのうえ、もし経営が厳しくなって一度上げた給料を下げようとしたら、いろいろと問題が生じるし。だったら中止しやすい社員旅行などを増やして、ドライバーのロイヤリティを高める経営を目指すべきだと思う」

「ドライバーを続けたい」が6割超え

長時間労働はむしろ増えたのに、収入が上がっていない人が6割以上。そんな環境で、ドライバーたちは仕事を続けたいと思えるのだろうか。

今回のアンケート結果で意外だったのが、質問「今後もドライバーを続けたいと思いますか?」への回答だ。「続けたい」「できれば続けたい」は合わせて65.4%、「できれば辞めたい」「辞めたい」の13.5%を大きく上回った(図表3)。

厳しい労働環境にもかかわらず、なぜ継続意向に差が出たのか?

質問「仕事で負担に感じることを教えてください」を確認しよう(図表4)。