66%が1日11時間以上働いている

ちなみに、今回の調査における拘束時間の分布は図表1のとおり。

【図表1】直近1年間の1日あたりの平均拘束時間を教えてください。
最多の「11~13時間未満(37.7%)」をはじめ、「13~15時間未満(20.6%)」、「15時間以上(7.9%)」と、拘束時間は依然として長時間帯に集中していることが明らかになりました。(Hacobu「【2026年】トラックドライバー実態調査」より)

過去に行われた別調査を参照しよう。

トラック運転者の労働時間等に係る実態調査事業報告書」(令和4年1月、有限責任監査法人トーマツ)によれば、2019年度における「1年の拘束時間が3,300時間以上の運転者数割合」は26.6%とある。

年間稼働日数を260日(隔週週休2日制)の場合、一日の労働時間は12時間41分程度になるので、2019年の調査よりも、今回の調査結果のほうが長時間労働は悪くなっている(長時間化している)可能性が高いことになる。

もちろん、アンケート元が違うので単純比較はNGなのだが。

つまり、「物流の2024年問題」は当時大騒ぎされたものの、結局のところドライバーの長時間労働はあまり是正されていない可能性が高いというわけだ。

「10%前後の賃上げ」と言ったのに…

では、収入のほうはどうか?

質問「直近1年間で、あなたの収入はどのように変化しましたか」を読み解くと、収入が上がったドライバーは3割強に留まり、4割は変わらず、逆に下がったというドライバーも2割いることになる(図表2)。

【図表2】直近1年間で、あなたの収入はどのように変化しましたか。
「変わらない(44%)」、「少し下がった(15.2%)」、「下がった(6.5%)」の合計が6割以上で、賃金が上がった実感を持てない層が中心となりました。(Hacobu「【2026年】トラックドライバー実態調査」より)

2024年2月16日、岸田文雄首相(当時)は政府が行う物流革新政策の意義と成果を「2024年度、トラックドライバーに対する10%前後の賃上げが期待できる」とアピールしたが、今回のアンケート結果から考えれば、とんでもないハッタリ発言だったことになる。

日本ロジスティクスシステム協会(JILS)が2026年4月30日に公表した「2025年度物流コスト調査報告書(概要版)」によれば、92.8%の企業が物流事業者から運賃・倉庫費・荷役費などの値上げ要請を受けたと回答、そのうちの97.2%の企業が値上げに応じたと回答している。

「物流の2024年問題」以降、運送会社が行う運賃交渉には追い風が吹いており、すべてではないにせよ多くの荷主が交渉に応じ、そして運賃アップを実現しているはずだ。

にもかかわらず、6割以上のドライバーの収入が上がっていないというのはどういうわけなのだろうか?