ビートたけし「父親による殺人事件が起きる」

出演者のビートたけしは、エッセイの中で「「平成教育委員会」はますます父親の権威を失墜させる」と題し、塾でテクニックを学んだ小学生の前で親は無力であり、こどもの前で醜態を晒しかねないと述べています。

徳久倫康『クイズの戦後史』(平凡社新書)
徳久倫康『クイズの戦後史』(平凡社新書)

エッセイそのものは過激な筆致で、これでは逆上した父親による「『平成教育委員会』殺人事件」が起きるかも――などと展開していくのですが、このこどもと親の関係の転倒もまた、CIE(GHQの下部組織)がクイズ番組に託した狙いが実現されている証左といえそうです。

社会的な側面を強調して取り上げてしまいましたが、番組では生徒役の芸能人による珍解答が続出し、なによりもまずバラエティ番組として楽しめる内容であったことも重要です。

渡嘉敷勝男、岡本夏生といったタレントの真剣でありながら芯を外した解答は、「ヘキサゴンII」のおバカタレントの先駆けに位置づけられます。教育と娯楽の高度な水準での融合がなされていたのが、「平成教育委員会」の特徴といえるでしょう。

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