「株主に優しい企業」を掲げるが…

2026年3月期の決算説明資料で、JR東日本は、6年後の2032年3月期には4.3兆円程度の売上高と7500億円程度の営業利益を目指すと発表された。さらに2026年3月に実施した運賃値上げでは820億円程度の増収を見込むとしている。

さらに、株主に向けたメッセージとして、2028年3月期に向けて、配当性向を段階的に40%に引き上げることを示している。

配当性向とは、法人税等を差し引いた当期純利益のうち何パーセントを配当金の支払いに充てたのかを示す指標で、2026年3月期決算では33.7%であった。こうしたことから、今後はグループ全体としては、より効率よく利益が出せる事業へ注力していくことになる。

JR東日本本社ビル、東京都渋谷区代々木。
JR東日本本社ビル、東京都渋谷区代々木。(写真=Rs1421/CC-BY-SA-3.0/Wikimedia Commons

乗客と沿線住民が損したままでいいのか

近年、JR東日本を巡る状況としては、首都圏や新幹線での相次ぐ運行トラブルだけではなく、京葉線の通勤快速の廃止問題やみどりの窓口の大量閉鎖問題という利用者に対するサービスレベルの低下といった点でも大きな話題になりがちである。

一方で、会社としての業績は好調で、株主に対しての配当も増額する方針であり、その分の利益を生み出すために乗客と地域住民の我慢が強いられている構図が垣間見える。

鉄道とは本来、地域の発展を左右する公共インフラであるはずなのに、株主資本主義の影響で利便性が低下する方向に動いている点は、この国の鉄道政策の無策と言えるのではないか。

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