ウチ飯志向で拡大し続ける冷食市場
食卓を大きく変化させるきっかけとなった出来事に、新型コロナの感染拡大があります。
内食率のトレンドを見ると、コロナ前から高水準だった朝食ではそれほど変化がうかがえなかった一方で、昼食と夕食の内食率はコロナ1年目の2020年に急伸しました。
外出自粛によって外食ではなく内食を選ぶ人が増えたためです。21年から24年にかけて内食率が緩やかに減少したものの、コロナ前の水準を上回ったままで推移。外出自粛の動きが弱まる中でも物価高で節約のため外食を控える動きがあるためと考えられます。
こうした内食率の上昇を追い風として、拡大を続けているのが冷凍食品市場です。
「インテージ SRI+」から、市場規模のトレンドを見てみます。
SRI+で捕捉している2017年以降のトレンドで見ると、冷凍食品の市場は24年に6471億円と17年の1.5倍にまで成長しました。
年別ではコロナ1年目の20年に前年比111%と2桁増。コロナの感染拡大に伴う外出自粛で巣ごもり需要が拡大し、備蓄しやすい冷凍食品が人気となったと考えられます。
内食機会が増え家事負担が重くなる中で、簡便に食事を準備できることも冷凍食品が支持された理由でしょう。
冷凍水産品は7年で3倍超えの成長
また、冷凍食品は「手抜きではなく手間抜き」と、食事準備を効率化することで自身や家族の時間を増やすことができるとポジティブに捉えられるようになったことも、市場の追い風となりました。
冷凍食品は調理、農産、水産に分類されますが、規模は限られるものの17年と比べて24年に3倍を超える規模にまで成長したのが水産です。
シーフードミックスなどの魚介類素材である冷凍水産は、「インテージ キッチンダイアリー」によると、皿うどん、お好み焼き、焼きそばなど主食メニューを中心に使用されていました。主食メニューの具材として簡単に使用できることだけではなく、高騰する生鮮の魚よりも価格が安定していることも人気の理由として挙げられます。
冷凍調理のトレンドを分類ごとに見ると、お弁当の規模が減少してきていました。単身世帯や共働き世帯の増加などを背景として弁当をつくることが長期的にも減っていた中で、コロナ禍の外出自粛も弁当の需要を縮小させたと考えられます。
一方、主食・軽食、惣菜・おかず、おやつ・デザートは好調です。冷凍農産でも、野菜、果実ともに好調であり、冷凍食品の内食での活用が進んでいることがわかります。