言えないことを冗談に昇華している

リーダーをしていると、メンバーに言いたくても言えないことがあるものです。それを、お酒の席やちょっとした会話で、冗談にカモフラージュして言うことがあります。ブラックジョークのように見せかけて、さらりと口にする。ときにリーダーはそういうこともするのだと覚えておいたほうがいいと思います。

岩田松雄『新版「君にまかせたい」と言われる人になる51の考え方』(サンマーク出版)
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意識の中にいつもメンバーに対するちょっとした不満があって、でも面と向かって言うほどのことではない。それでつい、冗談っぽく言っているという場合がよくあるのです。

リーダーとしては、冗談を口にするとき、少しは気がついてくれるかなと思っています。相手が気づいたか、気づいていないかは微妙だけれども、本音を口に出したことで、少なくともリーダーの気持ちはスッキリします。

お酒の席で、「そろそろ君も海外にでも異動するか」なんてリーダーが声をかけてくることがあります。「勘弁してくださいよ」と笑いながら切り返して、一同大笑い、なんてことがよくありますが、これは本音では、リーダーはそのメンバーを動かしたいということなのかもしれません。あるいはそういう話が人事から来ているのかもしれません。

冗談というのは、けっこう怖いものなのです。

ビジネスパーソンの手
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです

取引先の「冗談」にも要注意

そしてこの冗談の怖さは、リーダーとの関係に限りません。取引先の冗談にも、要注意です。

「ずっと御社にお世話になってきたけど、今回他に浮気したりして……。あ、冗談ですよ」

担当者からこんな話が飛び出したときには、本当に他社とコンタクトを取っている可能性があると思います。

いきなり他の会社と取引を始めたことがわかったりすると、感情的にももつれるかもしれません。そこで冗談でジャブを飛ばして、反応を見ておく。そんな意図があるのかもしれません。火のないところに煙は立たないのです。

言いづらい本音を冗談めかしてほのめかす。ジョークにして、ぼかして伝える。ブラックジョークで脅すようなことを言う。人は無意識に、ときには意識的にするものだと思います。

これは仕事の場だけではなく、夫婦関係から友人関係まで、人と人とのコミュニケーションすべてに当てはまります。

冗談は、意外に怖いものです。注意深く聞いておく必要があります。冗談を聞き流さず、相手の本音、裏の意図を考えてみることが大切です。

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