なぜ「キレる老人」が増えているのか
人はパンのみで生きているわけではありません。人生にはやりがいや生きがいが必要であり「自分は誰かの役に立っている、社会に必要とされている」という自己効用感なしには生きられません。もし年長者・高齢者が、量的には社会の重心をなしながら、価値創出の文脈においては周縁化されていけば、「数だけはやたらに多いが、社会的に意味を持たない存在」という危険な位置づけに追い込まれてしまうことになります。
すでに、そのような「危うさ」は表面化しているようにも思えます。昨今では、公共の場で暴力を振るったり、暴言を吐いたりする年長者・高齢者のニュースが相次いでいますが、これは「居場所と承認を奪われてしまった人たちの怨嗟」と捉えることもできるでしょう。
これらの事件は、現在の私たちの社会が、年長者や高齢者に「居場所」や「役割」を提供できていない、ということを示す痛烈なサインだと考えられます。


