「ただ褒める」だけでは足りない
あなたが営業目標を達成して、上司から褒められたとします。もし、努力もせず、目標数字にも満たなかった同僚も同じように褒められていたら、褒められた嬉しさも吹っ飛んでしまうのではないでしょうか。
しっかりと過程と成果を観察して、フェアに評価して褒めることが重要です。よくないことはしっかりと指摘するからこそ、ポジティブな意見がより活きてくるのです。
たとえば「オーケー」という、テレビでもよく紹介されている人気のスーパーマーケットがあります。ここの店内には「オネストカード」と呼ばれるPOPがあり、ネガティブな情報も隠さず書いてあります。
「長雨の影響で、レタスの価格が急騰しているので、他の野菜をおすすめします」
このようなマイナスな情報があることで、その横で書かれた、「きゅうりが今とてもみずみずしくておいしいです」という「褒め」の信憑性が高まります。「褒め」に重みが出るのです。
ウソでもなんでもいいからとにかく褒める、というスタンスは見抜かれてしまいます。
相手の成長を常に考える「利他褒め」
本当に心に残る「褒め」とは、その場しのぎの耳に心地よい言葉ではありません。
相手にとって手厳しい指摘が含まれていたとしても、眠っている能力や情熱を引き出すような力強い言葉です。そのような「褒め」は、相手の成長を心から願っている「利他の視点」から生まれます。
「利他褒め」は、本書『できるリーダーはどこを「ほめる」のか?』の17節でお伝えした「励まし承認」のように、うまくいかなかったときに、どう声をかけるかにも影響します。
「あの一言があったから踏ん張れた」「あの人に言われたから、やってみようと思えた」。そんな風に記憶に残る褒め方には、相手の未来を思うまなざしが込められています。
リーダーであれば、課題点をしっかり指摘しながらも相手の成長を促し、「この人から褒められたい」と思われる存在でありたいものです。

