いつもうまくいく人の秘訣は何か。『できるリーダーはどこを「ほめる」のか? チームが自然と動き出す「戦略的ほめ方」』(朝日新聞出版)を出した山本渉さんは「周囲をしっかりと見れば、周囲からも見られるようになり、これが『褒めスパイラル』のベースとなっていく」という――。

「ただ褒める」だけでは足りない

あなたが営業目標を達成して、上司から褒められたとします。もし、努力もせず、目標数字にも満たなかった同僚も同じように褒められていたら、褒められた嬉しさも吹っ飛んでしまうのではないでしょうか。

しっかりと過程と成果を観察して、フェアに評価して褒めることが重要です。よくないことはしっかりと指摘するからこそ、ポジティブな意見がより活きてくるのです。

たとえば「オーケー」という、テレビでもよく紹介されている人気のスーパーマーケットがあります。ここの店内には「オネストカード」と呼ばれるPOPがあり、ネガティブな情報も隠さず書いてあります。

「長雨の影響で、レタスの価格が急騰しているので、他の野菜をおすすめします」

このようなマイナスな情報があることで、その横で書かれた、「きゅうりが今とてもみずみずしくておいしいです」という「褒め」の信憑性が高まります。「褒め」に重みが出るのです。

ウソでもなんでもいいからとにかく褒める、というスタンスは見抜かれてしまいます。

相手の成長を常に考える「利他褒め」

本当に心に残る「褒め」とは、その場しのぎの耳に心地よい言葉ではありません。

相手にとって手厳しい指摘が含まれていたとしても、眠っている能力や情熱を引き出すような力強い言葉です。そのような「褒め」は、相手の成長を心から願っている「利他の視点」から生まれます。

「利他褒め」は、本書『できるリーダーはどこを「ほめる」のか?』の17節でお伝えした「励まし承認」のように、うまくいかなかったときに、どう声をかけるかにも影響します。

「あの一言があったから踏ん張れた」「あの人に言われたから、やってみようと思えた」。そんな風に記憶に残る褒め方には、相手の未来を思うまなざしが込められています。

リーダーであれば、課題点をしっかり指摘しながらも相手の成長を促し、「この人から褒められたい」と思われる存在でありたいものです。

ビジネスオフィスで働く人
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