J.Y.Parkに学ぶ「褒め」の理想型

そのお手本ともいえるのが、ガールズグループ「NiziU」を発掘したオーディション番組「Nizi Project」のプロデューサー、J.Y.Parkさんです(別の章でもオーディション番組を例に挙げましたが、こちらもとても参考になります)。

シンガーソングライター、音楽プロデューサー・J.Y.Park(パク・ジニョン)
シンガーソングライター、音楽プロデューサー・J.Y.Park(パク・ジニョン)(写真=acrofan.com/CC-BY-SA-3.0/Wikimedia Commons

彼の褒め方・叱り方・フィードバックは、ビジネス界でも絶賛されて話題になりました。企業のマネジメント研修でこの番組を見るべきと思えるほどに、示唆に富んでいます。

「このレベルだと歌手になれません。自信は膨大な練習量から出てきます。僕が思うに優れた才能を持っています。しかし、その才能を活かせるかどうかは自分次第です」

このように、フィードバックは常に相手を尊重し、成長をゴールと捉えて努力を促す言葉になっています。改善点からも逃げず、でも必ずいいところもセットで伝えて、その人の才能や人格を否定することは決してしません。

番組を通して彼が伝えた褒め言葉は、しっかりとした観察に基づき、決して上からではなく、欠点からも目を逸らさず、成長を褒め、相手が気づいていない箇所も具体的に褒め、そして、心から相手の成長を願う……と、本書で紹介したスキルを網羅しています。

しかも特筆すべきことに、これらを覚えたての日本語で伝えることもあったのです。

語彙力や表現力に頼らなくても、相手を本気で思う姿勢は十分に伝わるということです。

ポイント➡相手の成長を常に考え、課題点も丁寧に指摘することが重要。

褒める人は、褒められる人になる

最後にお伝えしたいのは、「褒める」という行為は相手を幸せにするだけでなく、めぐりめぐって自分の人生をも明るくしてくれるということです。

「褒める人は、褒められる人になる」ということを、わたしは日々実感しています。

褒めることでメンバーが成長し、チーム全体のパフォーマンスが向上します。結果が出て、リーダーの自分も褒められると、感謝の気持ちが強くなり、さらに人を褒めやすくなります。

これが「褒めスパイラル」です。