ウイルスとの戦いは続く
第3の理由はウイルス性疾患の存在だ。新型コロナはようやく沈静化したが、ウイルス性の病気はいつ蔓延するかわからない。14世紀のペストの流行や20世紀初頭のスペイン風邪の例を出すまでもなく、人類の歴史はウイルスとの戦いの歴史なのだ。
ウイルス性疾患は一旦発生すると消滅することはない。水疱瘡、おたふく、風疹などは昔から存在し、なくなることはない。最近エイズはあまり話題にならないが、全世界でHIV感染者は約4000万人いる。人類が撲滅に成功したのは天然痘だけだ。
そして、新しいウイルス性疾患は必ず出現する。
21世紀以降だけでも、2002年に中国でSARS(重症急性呼吸器症候群)が、2012年に中東や欧州でMERS(中東呼吸器症候群)が出現して蔓延した。そして、2013年には中国で人が鳥インフルエンザに感染し、2019年には新型コロナが出現した。
残念ながら何年かすれば新たなウイルス性疾患が現れるだろう。そして、新たなウイルス性疾患の出現は医療関連ビジネスの拡大につながる。
男性の美容整形が増加
第4の理由は美容医療市場の拡大だ。ボストン・コンサルティング・グループの調査によると2023年の世界の美容市場の規模は約200億ドルで、2028年には270億ドルに達する見込み。その後も拡大は継続する。
新興国や後進国の富裕層が美容医療先進国で治療を受けることが増加している。
また、最近の傾向で顕著なのは美容整形治療を受ける男性が増えていることだ。男性の間ではまぶた手術、脂肪吸引、鼻形成、脱毛等の人気が高い。
これまで小さな市場だった美容整形市場が拡大するということは、その分医療関連ビジネスが拡大することを意味する。
医療ツーリズムの3つのニーズ
第5の理由は医療ツーリズムが成長していること。
医療ツーリズムとは、疾病の予防・発見・治療のため、国外に医療や健康に関連するサービスを受けに行くことを指す。最近は日本国内の医療機関がアジア地域から医療ツーリズム患者を受け入れていることが話題になるが、医療ツーリズムは世界的に盛り上がっているのだ。
医療ツーリズムには3つの目的がある。
まず1つ目は自国では受けられない高度な医療サービスを受けるため。新興国や後進国の富裕層は自国の医療レベルには満足していない。
2つ目は自国より安価に医療を受けるため。米国の医療費の高さはよく知られているが、先進国で医療費が高い国は少なくない。こうした国の人々は医療水準が一定のレベルで、医療費の低い国へ行って治療を受ける。例えば、治療のためにメキシコへ行く米国人の数は増加している。
3つ目は自国より早く治療を受けるため。国によって医療に関する法規制は大きく異なる。自分の国では認められていない治療法や薬の投与を受けるために外国へ行くケースは少なくない。
3つのうち、どの目的であっても自国にいれば病院へ行かなかった人が病院へ行くことになるので、医療関連ビジネスの拡大に寄与することになる。
このように今後も成長が期待される医療ビジネス市場において、世界シェアトップを誇る隠れた優良企業が日本にはいくつもある。本稿ではその中から特に注目される3社を紹介したい。

