小型犬より自分を守ってくれる大型犬が人気

こうした地域には、常に警官が巡回しており、パトカーのサイレンが鳴り響きます。コンビニやスーパーには、コーヒーやちょっとした買い物をする「ふり」をした警官が入り浸っています。これは警戒のためで、サボっているわけではないのです。

地元の人々のほとんどは、上下がくたびれたスウェットで、虚ろな目の人も少なくありません。喫煙率が高く、闘犬を連れた人が多いのも特徴です。

こうした地域では、愛玩用の小型犬は少数派です。ペットとは、自分の身を守るための大型化したピットブルのことを言います。そうした犬は、たまに子供や老人を噛み殺してしまうので事件になります。部外者はお呼びでないという雰囲気です。

クロイドンの街の中心。マクドナルドの前で眠り込む麻薬中毒者。誰も気に留めない。このマクドナルド前では学生の刺殺事件が何件か起きている
クロイドンの街の中心。マクドナルドの前で眠り込む麻薬中毒者。誰も気に留めない。このマクドナルド前では学生の刺殺事件が何件か起きている(出所=『世界から見た日本の保守』)

超厳重警備の入国管理局に長い列

クロイドンは、実はイギリスにおける難民の入口のような町なのです。というのも、ここにイギリスの入国管理局が存在しているので、イギリスに住んでいる日本人のほとんどは、ビザの更新や永住権の申請などでクロイドンに来ることになります。

入国管理局はクロイドンの駅からすぐの所にあり、私立高校の女子高生がナタで惨殺されたバス停の向かい側にありました。現在は少し離れた場所に移転していますが、以前は1960年代に建てられたビルの中に入っていて、外はゴミだらけで殺伐としていました。

入口には屈強な警備員が立っていて、空港並みの金属探知機やセキュリティを通過しなければ中に入ることができません。つまり、それだけ危ないということです。爆弾テロや化学薬品、ナタ、斧による攻撃を想定した作りになっているのです。ビザ申請や入国審査が完全予約制になる前は、毎日のように難民申請者が長い列を作って並んでいました。

イギリスにやってくる難民たちは入国管理局で審査を受けるので、別の自治体にある収容センターなどが空いていない場合は、クロイドン周辺の借り上げ住宅に住むことになります。民間の大家からアパートや長屋、一軒家などを国が借りて提供することになっているのです。