「移民はいらん」はただの排外主義

次に「反中・反韓」の感情的な主張、事実を捻じ曲げた歴史観への固執、日本を客観視せずに「日本スゴイ」と自画自賛するだけの自己満足な自国礼賛。これらはまったく「保守」ではありません。むしろ「悪い意味のナショナリズム」であり、「ファシズム」に近い考え方です。

客観性を欠いた主張を、単に受け手が喜ぶ形で発信することは「ポピュリズム」です。そして、客観的な事実を無視し、単に「移民はいらん」「すべて外国人が悪い」と繰り返すのは「排外主義」です。

たくさんの顔の前に突き出された大きな手
写真=iStock.com/wildpixel
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本来の保守主義は「自国の文化と伝統を尊重すること」を核心としますが、それは「他国や外国人を憎むこと」ではありません。保守主義とは、文化や伝統を大切にしながらも、世の中をより良くするために他国や外国人と協力関係を築き、切磋琢磨し、どうしたらうまくやっていけるか、慎重に検討することです。「自分の家族を愛する」のであれば、「近隣とも仲良くなること」を考えなければならないのです。

「ネトウヨ」は真の保守主義者と正反対

「ネトウヨ」(ネット右翼の略)は、インターネット上で特定の国(主に中国・韓国)への激しい批判や嫌悪を表明し、強い民族主義的・排外主義的な主張を行う人々を指す俗語です。

しかし、これまで説明してきたように、保守主義とは「緩やかな変化を望みつつ、従来の仕組みや伝統を大事にする」という考え方なので、ネトウヨとはまったく異なるものです。

谷本真由美『世界から見た日本の保守』(扶桑社新書)
谷本真由美『世界から見た日本の保守』(扶桑社新書)

真の保守主義は、自国や故郷がより豊かになり、安定した生活をし、人々の幸せになることを願う思想ですから、本来は他国の文化や伝統も尊重する協調主義でもあります。「自分の文化を大切にするからこそ、他者の文化も尊重できる」という考え方が、保守主義の本来の姿です。

ネトウヨの言動は、むしろ協調とは反対で、関係性を破壊する衝動にあふれています。彼らのような排外主義を突き詰めれば、まともな交易や学術交流は不可能です。さらに、ネトウヨには科学や歴史的な事実を歪める傾向があります。

保守主義は何事も慎重に、データや証拠に基づいて判断することを重んじますから、この点でもまったく異なります。世の中の幸せを願う保守主義者ほど、ネトウヨを批判し、一掃していかなければなりません。

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