日本の領土と国民の命を守る必要性が明らか
中国は、日本軍国主義に対してともに戦った米中は、日本の軍国主義復活に対してもともに戦うべきだと米国に呼び掛けた。
中国による南沙諸島の埋め立ても、中国国内における民族抑圧も、ロシアによるウクライナ侵略も、この時点ではまったく見えておらず、北朝鮮のミサイルも火遊びに過ぎないなどと軽視されていた。
また日本国内では朝日新聞社が、自ら引き起こした従軍慰安婦捏造報道を、2014年8月に自己批判する前であり、執拗にこの問題を取り上げた安倍元首相を、報道の自由に対する権力の介入であると、メディアは一斉に攻撃していた。安倍元首相が主張したナショナリズム・保守主義を正当化できる現実は、何も見えていなかった。
しかし、高市政権が誕生したいま、日本の領土と国民の命を守る必要性は、ほぼすべての国民の前に明らかになっている。
第三の情報発信・拡散力については、2012年当時、インターネットによる個人の情報発信は限られ、SNSの利用も普及しておらず、情報発信は圧倒的にマスコミ4媒体であるテレビ、新聞、ラジオ、雑誌に支配されていた。
しかし今日、インターネット広告はマスコミ4媒体を大きく凌駕し、マスメディアの影響力は顕著に低下している。
政府も企業・団体もSNSを通じて情報発信しており、受け手である個人も、それに呼応する情報の双方向チャンネルが確立している。かつて存在していた情報格差は、SNSの登場によって劇的に縮小し、既存メディアによる世論支配力は著しく弱くなった。
メディアに対する安倍氏の攻撃は、権力による言論統制と見なされてしまったが、今日、対等な空間での論戦を、すべての国民が観察できるようになった。米国でのトランプ政権の誕生も、先の参院選挙での保守系新興政党の躍進も、この情報環境の激変によるものだ。
高市政権はマスメディアを通さず、直接、SNSにより、国民に呼びかけ始めている。
財政健全化タブーからの解放
高市政権はアベノミクスで残された課題、減税による消費の引上げに手をつける。
なぜ減税が鍵になるのか、第一に財政に余裕があり消費が著しく低迷しており国民の不満が強まっていること、第二に減税は先進国における景気対策の世界標準であること、第三に減税は景気拡大と税収増をもたらすこと、がほぼ明らかだからである。
そうなると日本経済は消費主導で成長率を高めるだろう。今年6月に策定される経済成長戦略骨太の方針では、高市カラーが打ち出されるだろう。片山蔵相、城内成長戦略担当相、経済財政諮問会議民間委員に若田部氏、永濱氏、日本成長戦略会議の民間委員に片岡氏、会田氏など積極財政派が選任された。
反減税派は依然健在、大手新聞の社説は批判一色である。
「財政健全化目標が揺らぐ、財政規律の緩みは金利の上昇を招きかねず」(11/5朝日新聞)
「野放図な財政出動は許されぬ」(11/8読売新聞)
「ガソリン減税、与野党は財源に責任を持て」(11/6産経新聞)
「緩む財政規律、収支黒字『単年度でなく数年』 試される市場の信認」(11/7日本経済新聞)
財政健全化路線タカ派、黒田日銀による異次元金融緩和に反対した経済論壇の主流派も健在である。この人々はアベノミクスを批判しアベノミクスの完成・成就を阻んできた。
東大名誉教授吉川洋氏は「大規模緩和は全てが間違い」(1/11朝日)ととなえ、井堀利宏東大名誉教授は「危機的な財政状況を直視せよ」(8/8日経)との論文を発表し、日本の債務残高が世界最悪、ギリシャよりも悪いという石破発言を正当化した。

