貧乏を抜け出す「積小為大」の教え

万兵衛のもとに預けられた金次郎は昼は勤勉に働き、夜は灯りをともし、学問に励みました。しかし、万兵衛は百姓には学問など必要ないと考える人でした。灯りの油がもったいないと、灯りをつけることを禁止されてしまいます。

しかし、金次郎はこんなことではへこたれません。自分で油を作ればいいのだと思いつき、知り合いから少しの菜種を借り、それを育てて油をつくることができました。さらに、捨てられていた田植えの苗を拾い集めて育てたところ、一俵ほどのお米を収穫することができました。このとき、金次郎は「小さいことでも積み重ねると大きなものにる」ということに気づきます。そうして、少しずつ田畑を買い戻し、見事二宮家を復興させることができました。これが二宮金次郎の「積小為大」の教えの原点となりました。

報徳二宮神社 二宮尊徳(金次郎)像
報徳二宮神社 二宮尊徳(金次郎)像(写真=Lover of Romance/PD-self/Wikimedia Commons

生家復興を果たした金次郎はその手腕を買われ、小田原藩の家老、服部家の財政再建を依頼されます。服部家の状況を見た金次郎は「服部家の財政破綻は超えてはならない限度、守らなくてはならない基準を守らなかったために起きたものである」と教えました。これが金次郎の説く「分度」の教えになります。