筋肉が持つ9つの健康効果

現在わかっている筋肉の効果をわかりやすくまとめました。

①血流アップと血圧ダウン

筋肉を動かすと体温が上昇します。発熱によって血液中の老廃物が浄化され、全身の血流がよくなります。血液が流れやすくなることで血圧は下がります。

②ミルキングアクションで心臓を助ける

体を動かして筋肉が収縮・弛緩する(乳しぼり効果=ミルキングアクション)と、筋肉内の毛細血管の血流がよくなります。とくにふくらはぎが行うミルキングアクションが活発になり、下半身の血液が心臓へと戻る力を助けます。

「ふくらはぎは第二の心臓」と呼ばれるのはそのためです。

かつては、心臓病の患者は絶対安静が常識でしたが、近年は週3?4回の運動が推奨されています。適度な運動でミルキングアクションを起こしたほうが、心臓の負担が軽くなり、再発率、死亡率が下がることが明らかにされています。

③毛細血管が増えて血圧が下がる

運動で筋肉に刺激を与えると、筋繊維の一部が破壊されます。運動後に栄養と休養を取ることで筋繊維は修復し、以前よりも強くなります。筋肉はこの繰り返しで発達していきます。

筋肉が発達すると、筋肉内の毛細血管が増えるので、心臓から送られる血液に対する血管抵抗が減少して、血圧が下がります。

④脳梗塞や心筋梗塞のリスクを下げる

運動を習慣にしていると、心臓に栄養や酸素を送る冠動脈の直径が大きくなります。そのうえ、冠動脈の周辺に多くのバイパス(側副血行路)が作られます。これは脳動脈でも同じです。

これにより、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などのリスクが減少し、仮に罹患したとしても症状が軽く、回復も早いことがわかっています。

カルシウムやビタミンDの摂取より骨が強まる

⑤骨が強くなる

運動していると、骨に適度な負荷がかかり、骨を作る細胞が活性化してカルシウムが骨に沈着しやすくなります。また、骨の血流もよくなるので、骨の新陳代謝が活発になり、骨密度の高い、丈夫な骨になります。逆に、運動不足が続くと、骨からカルシウムが溶け出して弱い骨になってしまいます。

骨を強くするには、カルシウムやビタミンDの摂取より、運動するほうがずっと効果があります。

ちなみに、骨を作る骨芽細胞からは「オステオカルシン」という、記憶力や認知機能の改善を促すホルモンが分泌されています。

⑥ポジティブになる

運動しているとテストステロン(男性ホルモン)の分泌が促され、自信が出て前向きな気持ちになります。

運動はうつの予防・改善に役立つという報告がありますが、それはテストステロンが大いに影響しています。

テストステロンの恩恵を受けるのは男性だけではありません。少量ではありますが女性も分泌されています。また、運動が女性ホルモンの過剰が招く乳ガン、子宮体ガン、卵巣ガンの予防につながることもわかっています。

ストレッチの女性
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです
⑦脳の活性化と認知症予防

運動によって脳に送られる血液が増え、記憶を司る海馬の萎縮が妨げられ、記憶力の向上や認知症の予防につながることが明らかになっています。

また、認知症の大半を占めるアルツハイマー病の原因であるアミロイドβは、運動を行うことで神経細胞への沈着が妨げられるそうです。

脳と運動に関する研究報告は多々あります。運動は現在わかっている、脳を活性化する確実な手段です。

⑧便秘・大腸ガンの予防

運動で腹筋を動かすと、腸がマッサージされて蠕動運動が活発になります。その刺激で排便が促されますし、運動で腹筋がつくと便を押し出す力も強くなります。

食べたものが胃腸で消化・吸収され、便として排泄されるまでの時間を「消化管移送時間」と呼びますが、運動すると消化管移送時間が短縮されることがわかっています。発ガン物質など腸内の有害物質の滞在時間が短くなるので、大腸ガンのリスクが抑えられます。

⑨若返りホルモンが出る

最近、筋肉がホルモンを分泌していることがわかってきました。

運動すると気分が爽快になったり、内臓機能が向上したりすることは以前からわかっていたのですが、なぜなのかは不明でした。

最近になって発見された、骨格筋から分泌されるホルモン「マイオカイン」がその謎を解くカギになると言われています。50種類以上あることが確認されているマイオカインは若返りや病気予防に関係するとして注目されています。