日頃から鏡で自分の目をチェック
冒頭で述べたように、医師が最初に行うのは、自分の目で見て、手で触れ、耳で聴くというアナログな診察です。どれほど検査機器が進歩しても、その出発点は変わりません。現代では「とりあえず検査をすれば安心」という考え方が広がっていて、「検査をたくさんしてくれる医者ほど丁寧だ」という思い込みも少なくありません。
しかし、適切な順序を踏まず検査だけを重ねても、却って遠回りになることがあります。あらゆる検査をすれば、多大なコストがかかりますし、患者さんにも負担です。だからこそ、問診や身体診察というアナログな行為を通じて、必要な検査を判断できる医師こそが、本当に信頼できる医師だと私は考えます。
そして、前述の急性肝炎の患者さんの場合、最初に「白目が黄色い」という小さな変化に気づいたのは、医師ではなく家族でした。自分や家族の変化を見る習慣が、重大な疾患を発見する最初の一歩になることがあるのです。
日頃から鏡でまぶたの裏や白目の状態を確認し、いつもと違う変化に気づいたら、早めに医療機関を受診することをおすすめします。加えて、倦怠感や食欲不振などのはっきりしない体調の変化も見過ごさず、気になる場合は医師に相談してください。
<目のチェックポイント>
☑ 見え方に異常はないか(急なかすみ、二重に見える、視野が欠けるなど)
☑ 左右の目の瞳孔の大きさや光への反応に差がないか
☑ まぶたが急に垂れ下がったり、片側だけが下がったりしていないか
☑ 白目が黄色くなっていないか
☑ まぶたの裏が白っぽくなっていないか
☑目が前に出て見える、まぶたが大きく開いたように見えるなど、以前と印象が変わっていないか
☑ (若年層で)黒目の縁に白いリングがないかどうか
※一つでも心配なことがある場合は、なるべく早く病院を受診しましょう。

