トランプ大統領の「温かい言葉」
もともと相性は悪くないと予想されていたトランプ・高市だが、私を含めて多くの外交専門家の度肝を抜いたのは、トランプ大統領のこれ以上はない思いやりと配慮に溢れた温かい言葉の数々だった。
「あなたに質問や疑問があるとき、あなたが頼みごとを必要とするとき、自分として日本を助けられることが何かあるとき、我々はその場にいます」
「あなたは日本で最も偉大な総理大臣の一人になるでしょう」
「親密な友達」
初めての日米首脳会談でここまで歓迎の辞のシャワーを浴びた例を、私は知らない。首脳会談終了後、腕を組んで迎賓館の階段を下りてくる姿が2人の相性、会談の雰囲気を象徴していた。
高市総理のパフォーマンスは際立っていた
この2つのスタートがあったからこそ、韓国での日韓首脳会談、日中首脳会談の基調が設定されたといえよう。
第2期安倍政権の発足にあたっては、安倍晋三という保守政治家を警戒して遠ざけ、首脳会談では仏頂面で嫌々ながら握手に応じた習近平。さすがにそこまで冷遇できない状況をつくりあげて高市総理が首脳会談を迎えたと評すべきだろう。
今年(2026年)に入っても、外国首脳を迎えての高市総理のパフォーマンスは際立っていた。
まずは、韓国の李在明大統領を故郷の奈良で歓待した。外交慣例を破って総理自ら李在明を相手方宿舎で出迎えて歓迎ぶりを焼きつけただけでなく、共にドラムを叩く姿まで世界に発信した。
歴史問題が生起するたびに日韓の結束を訴えてきたアメリカ政府を黙らせるほど、非の打ちどころがない一手だった。
続いてイタリアのメローニ首相を迎えての歓待ぶり。
トランプの目から見ればか弱い男性指導者が林立している現在のG7にあって、数少ない強いリーダーが高市早苗とジョルジャ・メローニだ。
2人の女性首相が仲睦まじく交流を深めた模様を世界に発信しただけでなく、メローニの誕生日をイタリア語で「ハッピー・バースデー」を唄いながら祝した気配り。これこそ、首脳外交の成功には欠かせないものだった。

