高市首相の「海外評」本当のところ
「外交問題を見事に処理しており、外国の首脳や高官といったVIPの間でかなりの人気を博している」。高市早苗首相への海外からの評価に関して、霞が関や永田町界隈にはそうした認識が一部にある。
だが、それは根本的に欠陥のある「物語」かもしれない。一歩東京の外に出てみれば、まったく異なる厳しい現実が浮かび上がる。
海外メディアや識者、国際的なオブザーバー、各国の政策立案者、そしてミドルパワー(超大国・大国ではないが、一定の国際的影響力を持つ中堅国)の外交官たちの間では、日本には「グローバルな存在感」が決定的に欠如しているという、静かなコンセンサスが広がりつつあるのだ。
今後10年間の波乱に満ちた地政学的な荒波を無事に乗り切るためには、高市首相は日本のトップリーダーとして自ら世界中を飛び回り、握手を交わし、交渉のテーブルに着き、そして具体的な公共財をそのテーブルに提供しなければならない。
そうでなければ、日本は米中二極体制という構造的現実の中に完全に埋没し、何十年もかけて築き上げてきた深い信頼の泉を無駄にしてしまう危険性がある。
これほどリスクの高い局面はない。
相対的な国力低下危機に瀕する日本
兼原信克・元国家安全保障局次長が最近指摘したように、日本は前例のない複合的な地政学的危機の中で、自国の相対的な国力低下を乗り越えるという二重の課題に直面している。
米国は依然として日本にとって不可欠な条約同盟国であるが、かつてのような一極集中の影響力はもはや持っていない。そんな中、際立つのが中国の強硬な姿勢と経済的強制(エコノミック・コースション)の行使であり、これはルールに基づく国際秩序に対する直接的な挑戦である。
この環境を乗り切るために、高市首相はワシントンと北京のずっと先を見据えなければならない。日本が取るべき戦略はミドルパワーを結び付け連合させるリーダーになることである。これは、私が「ネオ・ミドルパワー外交」と呼ぶものである。

