首相就任5カ月、海外からの評価とは
高市早苗が内閣総理大臣に就任してもうじき5カ月が経過する。
2026年2月の総選挙で歴史的大勝を収め、日本初の女性首相として圧倒的な議席数を誇る政権を築き上げた。台湾有事に関する踏み込んだ発言、サプライズ衆院解散、そして自民の全衆院議員315人に当選祝いとしてのカタログギフト贈呈……そうした「型破り」な政権運営は国外にも報じられている。
国内の支持率は依然として高い水準を維持している。しかし、日本の国境の外に目を転じれば、その評価ははるかに重層的だ。世界が高市早苗をどう見ているかは、地政学的チェスボード上のどこに立っているかなどによって、まったく異なる風景を呈している。
海外の政治家・メディア・識者の動向をウオッチしている筆者が現状の高市評を整理してみたい。
高市首相を大歓迎した国
民主主義の弧:東南アジア、豪州、カナダ、米国、EU
日本の友好国および条約同盟国にとって、高市の登場は慎重な楽観主義、いや率直な歓迎をもって迎えられた。最も示唆的なシグナルは、ワシントンでもキャンベラでもなく、シンガポールから発せられた。
中国が高市を「危険な超国家主義者」「帝国主義時代の軍国主義復活を企てる指導者」として描く大規模な偽情報キャンペーンを展開した後、シンガポールのローレンス・ウォン首相が行った演説は、事実上の北京への外交的反論であった。
ウォン首相はASEANが日本を「最も信頼できるパートナー」と見なしていること、戦時中の過去は数十年にわたる対話、外交、そして人と人との交流を通じて克服されてきたこと、そして強い選挙の信任がもたらす安定を地域が歓迎していることを明言した。
その行間に込められたメッセージは明確だった――東南アジアは、対日情報戦に加担するつもりはない。
この認識は「民主主義の弧」全体に広く共有されている。オーストラリアは「相互アクセス協定」やクアッドの枠組みを通じて日本との安全保障体制を深化させており、高市を防衛協力とサプライチェーンの強靭化を加速する指導者として見ている。
キャンベラの戦略コミュニティは、防衛費と同盟運営について難しい決断を下せる首相を日本が必要としていると長年主張してきた。選挙での信任を得た高市はまさにその指導者だと映っている。
カナダはインド太平洋の安全保障問題について伝統的に控えめだが、更新された「インド太平洋戦略」を通じて、高市政権下の日本をルールに基づく秩序の重要な支柱と位置づけるシグナルを送っている。
米国においては、打算的でありながらも根本的に好意的な見方がなされている。トランプ政権は日本にGDP比3.5%の防衛費を要求しているが、米国の防衛計画立案者たちは、高市がその目標に向けて動くだけの政治資本とイデオロギー的確信の両方を持つ稀有な日本の指導者であることを認識している。
ワシントンは彼女を従順な従属者ではなく、兵器の共同生産や造船能力の共有、西太平洋での抑止力への実質的な貢献ができるパートナーとして見ている。ロシアのウクライナ侵略と自国の再軍備論争に忙殺される欧州各国の首都にとっては、高市政権下の日本は民主主義的決意のモデル、いわば成熟した民主国家が多国間へのコミットメントを放棄することなく、強い指導者を選出し戦略的自律を追求できると見ている。
民主主義陣営全体を通じて、圧倒的多数の支持を得て女性首相が選出されたこと自体が象徴的な意味を持っている。それは日本の政治文化が進化していること、有権者が時代が求める時に“伝統”を打破できること、そして日本の未来が慣習ではなく能力によって形作られていくことを示すシグナルだ。
これらの国々が何より望んでいるのは、かつての短命な首相の「回転ドア」に悩まされてきた日本に、ようやく長期的な安定が訪れることだ。


