「本音」がマイナスになることもある

もし、私たちが自分にとって本音で大切なことを失ったり、それを壊されたり奪われたりしたら、ひどく落ち込んだり激怒したりします。

例えば、子育てが本音で大切な女性が子どもを失ったらひどく悲しみますし、心理学を学ぶことが本音で大切な人が、配偶者から心理学を学ぶ機会を奪われたら怒ります。

同様に、もし私たちが自分にとって本音で大切なことを大切にすることなく生きたら、そんな人生には価値を感じないでしょう。

生きることの意味も喜びもなくなり、そうして生きている自分のことも無価値に感じて、自己肯定感が低くなります。

例えば歌を歌うことが本音で大切な人が、「歌では生活できないから」と歌うことを自分に許さず、したくもない事務仕事を自分に強要して生きたら、生きる意味も充実感も感じられません。そうして生きている自分が好きだとは感じられないでしょう。

私たちは、自分にとって本音で大切なことを得るため、もしくは失わないために、最善だと判断したことを行います。

嘘をつかず、本当のことを言うことが、自分にとって本音で大切なことにプラスだと判断したときには、本当のことを言います。しかし、本当のことを言うと、自分にとって本音で大切なことにマイナスになると判断したときには、何かを隠したり、事実ではないことを言ったりします。

あなたも私も、他の人たちも皆そうして生きてきたし、これからもそうして生きていきます。

横領で会社をクビになった夫の例

一例を挙げます。

美紗さん(仮名)という女性のご主人は、会社のお金を横領したためクビになりました。

美紗さんはそんなことをしたご主人にひどく腹を立て、彼を軽蔑しています。

美紗さんのご主人が勤めていた会社は、ワンマン社長が社員にしばしば無理を押し付け、勤務時間も非常に長い会社でした。ご主人はその会社で働くうちにストレスがたまり、体調も優れませんでした。

財務データ
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彼は、その会社を横領でクビになった後、自営業を立ち上げ、自分の働きを通して世の中に貢献していると感じながら働くことができています。

そのご主人にとって本音で大切なことは、健康、および彼のやり方で人々に貢献することでした。また、家族も大切でした。

一方、美紗さんにとって本音で大切なことは、二人の娘さんの子育てとバイオリンでした。

ですから彼女は、お金を子どもの教育費とバイオリンのレッスンに優先的に使っていました。

彼女が自分にとって大切なそれらのことを続けるには、ご主人の収入が必要でした。

ご主人にはそれが分かっていたので、会社を辞めたいと美紗さんに言うと絶対に許してくれないと思い、それを押して自己主張することができなかったのです。

彼にとっては家族も大切だったので、夫婦仲も険悪にはしたくありませんでした。