原因には「行動面」と「考え方面」がある

4.原因を確認し問題の本質をすり合わせる

Iメッセージで感じたことを伝えたら、原因を振り返ります。何が今回の問題の原因だったのか、本人にまず尋ねます。

「今回起きたことの振り返りをしたいのだけど、何が原因だったと思う?」

大切なポイントは、「人」ではなく「事」に焦点を当てることです。「あなたが悪かった」と人に焦点を当てると、批判と受け取られたり、人格すべてが問題のように感じられてしまいます。それより「何が原因か」という質問をすると、具体的な改善につなげやすくなります。

原因には「行動面の原因」と「考え方面の原因」があります。「タスク管理ができず漏れていた」というのは行動面の原因です。「忙しくてそんなに大事じゃないと思っていた」というのは考え方面の原因です。

それぞれに対してIメッセージを交えながら、フィードバックを行います。

【橋本】「何が原因だったと思いますか?」
【メンバー】「タスク管理ができていなくて、漏れてしまったと思います」
【橋本】「そうですか。普段は依頼を受けたら、どう管理していますか? 例えば、メモをしてタスク登録をして、締め切りを設定する、など」
【メンバー】「いつもは、手帳にメモをして、そのあとまとめてタスクに入れています。でも、その日バタバタしていたので後回しにしてしまい、そのまま抜けました」
【橋本】「そうすると『忙しいときに、タスク管理を後手に回さないために何を変えるか』が効果的な改善につながりそうですね。ちなみに、タスク登録を後回しにするとき、どんな思考の癖がありそうですか? 例えば、きちんとやりたい、自分は忘れないから大丈夫、など」
【メンバー】「バタバタするのが苦手で、きちんと時間をとってやりたいと思っているかもしれません」
【橋本】「深い気づきだね。ここまでのプロセスを踏まえて、何を改善したら、次は同じことを起こさずに済むと思うのか、まとめてもらえますか?」

本人の考える「原因」を聞いた上で、マネジャーの解釈をIメッセージで伝えます。

5.改善計画を立案する

最後は、今後も同じことを繰り返さないように、本人に改善案を考えてもらいます。

「もしも依頼されたときの状況に戻れたとしたら、何を変えてみますか?」
「次はどのように改善しますか?」

改善には基本的に「行動」と「考え方」の両方をどう変えるかが必要です。

「その場でカレンダーに期日を書き、タスクを実行する時間をつくります」であれば行動の改善になりますし、「次は絶対に期日を守る意識でやります」であれば考え方の改善になります。

もしもどちらかしか改善案が出ない場合には、

「その改善案はいいね。次からは絶対守るその意識でやってね。ちなみに、具体的なタスク管理についてはどう改善しますか?」

と、出なかったほうの改善案も明確にします。そして、本人が今回の問題やミスは「改善につながる」「良くないことだったけど、良い学習になった」と捉えていることが感じられたら終わります。