同じミスを繰り返す人の「真の問題点」

ここまで、フィードバックの考え方や伝え方についてお伝えしてきました。それでもなお、同じことが繰り返され、改善が見られないメンバーがいる。そんな場面に直面することもあるでしょう。

ここで大切なのは、「伝え方が悪かったのかもしれない」とフィードバックを繰り返すことではありません。なぜなら、人はミーティングや面談だけでは、なかなか変わらないからです。

私自身、以前こんな言葉をかけられたことがあります。

「ミーティングで人は変わらない。育成は現場で行うものだ」

この言葉は、今でも強く心に残っています。フィードバックをしても改善が見られない場合、多くのケースで起きているのは、「部下のやる気がない」ことではなく、「部下が現場でどうやればいいのか、具体的なイメージを持てていない」という状況です。

このようなとき、マネジャーに求められるのは、さらに言葉を重ねることではなく、現場での支援に切り替える判断です。

伝えるから、「支援する」へ――具体的な選択肢は、大きく分けて3つあります。

1つ目は、マネジャー自身が現場に同行することです。

隣で仕事をして見せる。あるいは、本人がやるのを横で見ながら、必要なところだけ介入する。「全部任せる」のではなく、「全部奪う」のでもない。一緒に走る関わり方です。

「改善しない=本人が悪い」とは限らない

2つ目は、他のメンバーの力を借りることです。すでにその壁を越えている人、本人が信頼している人、上質世界に入っていそうな人と引き合わせる。「○○さんの横で、一度見せてもらったらいいよ」「△△くんと一緒に、この仕事をやってみよう」

書影
橋本拓也『部下をもったらいちばん最初に読む伝え方の本』(アチーブメント出版)

こうした現場同行は、マネジャーの言葉よりも具体的な学びをもたらします。

3つ目は、同行の前後で、短い振り返りを行うことです。同行の前には、「今日は特にここを意識して見てみよう」とポイントを共有する。同行の後には、「どうだった?」「学んだことは何だった?」「すぐに活かせそうなことはある?」と、本人の言葉で整理してもらう。この“前と後”があることで、ただの見学ではなく、成長につながる経験になります。

もちろん、すべてが同行や支援で解決するわけではありません。資質に合っていない仕事を任されている場合や環境そのものが本人に合っていないケースもあります。その場合には、役割の見直し、配置転換といった判断が必要になることもあるでしょう。

大切なのは、「フィードバックが効かない=本人が悪い」と決めつけないことです。改善しない背景には、マネジャーがまだ踏み込むべき支援の余地が残っていることが少なくありません。フィードバックは育成のスタートです。ゴールではありません。

言葉が届かないと感じたときこそ、マネジャーの仕事は、現場に戻ることなのだと思います。

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